1月末ではあるけれど、スパークリングワインで華やかな一杯というのは季節を問わず心躍らせるものだ。実際、この時期はソノマやナパへのスパークリングワイン・ツアーに出掛けるにはうってつけの季節ともいえる。それがなぜなのか、合点が行かないというあなたも、まずはこの北カルフォルニアのワインカントリーで最高の泡を探す旅のガイドを読んで頂きたい。きっと認識を新たにされるに違いない。
ツアーの最初に、まずグロリア・フェラー カーヴス & ヴィンヤーズをお薦めしたい。サンフランシスコからハイウェイ101で北におよそ1時間の距離にあるグロリア・フェラーは、ソノマ屈指のワイナリーであり、カーネロス地域で最初のスパークリングワインのつくり手である。世界最大のスパークリングワイン生産者のひとつとして知られるフレシネの家系にあるスペイン人が、1986年に創業したワイナリーだ。現在改装工事中だが、フェラーの素晴らしい泡は変わらず楽しめる。予約も不要なので(8人未満の場合)、気軽に立ち寄って一杯からのテイスティングを楽しもう。お薦めは、ここでしか手に入らない2010年のブリュット・ロゼ。軽快でキレがよく、クリーミーな味わいだ。
ドメーヌ・カーネロス。(c)Domaine Carneros
お次はドメーヌ・カーネロスに向かおう。ソノマ・カウンティとナパ・カウンティのちょうど境界に位置する、認証オーガニックのスパークリングワイン・メゾンだ。刈り込まれた生け垣、大きな階段アプローチ、ベージュのレンガ、何より丘の上というロケーションもあり、まさにフランスのシャトーのような雰囲気だ。シャンパーニュの名門テタンジェ家の所有となるこちらのワイナリーでは、1日3回/90分間のツアーが用意されている(11時、午後1時、3時)。このツアーは、スパークリングワインがどのようにつくられるのか、そのプロセスを知るのに最適なコースといえる。知識豊富なスタッフに、デゴルジュマン(澱抜き)のテクニック、ワインセラーの適温、瓶詰め前のロゼの色など、あらゆる質問を投げてみよう。ツアーにはスパークリングワイン3杯と、赤ワインのテイスティングが含まれる。もう少し特別な体験をお求めならば、ドメーヌ・カーネロスのビストロスタイルのサロンでの食事はいかがだろう。非常にエレガントで、ちょっとしたフランス気分を味わえる。繊細な泡の「ル・レーヴ」を、アルチザンチーズとスモークサーモンとのマリアージュでぜひ堪能してほしい。
夕食時になったら、ナパのもっと奥深くへと進み、フォーブス・トラベル・ガイドの四つ星、オーベルジュ・ドゥ・ソレイユへ。広やかなダイニングルームは、暖かなバター色とウッディなアクセントで装飾されている。このリラックスしつつもにぎやかなダイニングのセンターピースとなるのが、大きな暖炉の存在だ。メニューは伝統的なカリフォルニア料理だが、非常に洗練されていて、地中海料理の影響も感じられる。クリーミーなパンプキンスープ、新鮮なエビの入ったレモンリゾット、舌の上で溶けるようなババガレイとチョリソ、アサリとポテトのドーフィネなどがお薦めだ。もちろん、一緒に楽しむのはロデレール・エステートのブリュット・ロゼ。近くのアンダーソン・バレーのワイナリーから届く特筆すべき泡だ。思い出に残る食事を終えたら、隣接するホテル、5つ星のオーベルジュ・ソレイユで一晩ゆっくり休もう。
シュラムスバーグ・ヴィンヤード
(c)Schramsberg Vinyards
翌日は、カリストガのすぐ南にあるシュラムスバーグ・ヴィンヤーズに向かおう。1965年に創業したこの地域最古のスパークリングワイン・メゾンで、量よりも質にこだわった良質の手づくりワインで知られている。リチャード・ニクソン以降、歴代の大統領が公式な晩餐会でシュラムスバーグを出してきたことも、その質の高さを物語っている。山腹にある、1880年代に中国からの出稼ぎ労働者たちによって掘られた巨大なカーヴも見逃がせない。ただしシュラムスバーグの見学やテイスティングはすべて要予約なので、事前の手配はお忘れなく。
Take A Bubbly Tour Around Wine Country