マスクは最近、中国の労働者を称賛。同国では新型コロナウイルスの流行を受けたロックダウン(都市封鎖)の最中でも労働者が昼夜を問わず働いていた一方で、「米国の労働者は出勤自体を避けようとしている」と述べた。
マスクは2018年、テスラ株を非公開にすると表明したツイートが物議を醸した際、米紙ニューヨーク・タイムズのインタビューで涙ながらに、自身が週に最大120時間働いてきたことや、1週間以上の休みを取ったことは2001年以降ないこと、こうした激しい勤務スタイルにより「子どもの顔を全くみることができず、友達にも会えない」とこぼしていた。
15年には、ヴァニティ・フェアの「ニュー・エスタブリッシュメント・サミット」のイベントで、企業2社のCEOを同時に務めることは「勧めない」と語っている。
今回のメールの宛先となったテスラ幹部は、多くの上級管理職と同様、既に週40時間以上働いていることだろう。マスクはまた、幹部が持つ特権を工場労働者と比較し、週40時間勤務は「工場労働者に求める勤務時間より短い」とし、幹部は「上級職になるほど見える存在になるべきだ」とした。
ペトリリエリ教授は、こうした姿勢は「自分と違う人はこの会社にいる資格はない」と示唆するものであり、職場のインクルージョン(包摂性)を損なう可能性があると指摘する。誰もが自分と同じ熱意で仕事に取り組むことを期待するのは、ビジョンを持つリーダーに共通の問題であり、それが大きな弱点となっているのだという。