watchOS 9は「ワークアウト」が進化
watchOS 9では、地球を俯瞰し雲量を確認できる「アストロノミー」文字盤や、太陰暦にも対応した「ルナー」文字盤など、新たに4つの文字盤が追加される。また、SiriのUIやバナー通知のデザインも刷新される。
アップデートの目玉は、ランニングフォームの判定指標として、1.上下動、2.歩幅の長さ、3.設地時間の3つが追加されること。測定中の画面もグラフや心拍数ゾーンの表示によって改良されるため、強度レベルなどを把握しやすくなることも重要だ。関連して、インターバルメニューを作成できたり、指定したペースや心拍数などを超える(あるいは下回る)場合に、アラートで知らせてくれるといった機能も追加される。ワークアウト周りの使い勝手が大きく改良されそうだ。
ちなみに、Apple Watchを持っていないiPhoneユーザーも「フィットネス」アプリを利用できるようになる。
ヘルスケア関連では、「服薬」アプリの登場に注目。薬やサプリメントのリマインダー表示などに対応する。なお、iOSのヘルスケアアプリでは、薬の組み合わせによる注意すべき相互作用について警告する機能なども追加されるという。発表中にサポートされる国と地域には特に言及がなかったので、日本国内において実用的かどうかわからないが、興味深い機能であることは間違いない。
watchOS 9は今秋提供予定で、iOS 16が搭載されたiPhone 8以降およびiPhone SE(第2世代)以降とペアリングされているApple Watch Series 4以降で利用可能とのこと。
さらにパワフルな「M2」チップ搭載MacBook Airらが登場
続いて、第2世代のAppleシリコン「M2」が発表された。M2チップは、5nmプロセスで設計されており、搭載するトランジスタ数は200億以上。ユニファイドメモリ帯域幅も100GB/sを実現する。Neural Engineは毎秒15.8兆の演算を行える。パフォーマンスをM1チップと比べ、CPUは18%、GPUは最大35%UPしているという。そして、これを搭載した製品として、MacBook AirとMacBook Proが発表された。特に、新しいMacBook Airはこれまでの矩形型からデザイン的にも刷新されている。
MacBook Airのディスプレイサイズは、従来モデルの13.3インチよりわずかに大きい13.6インチ。薄さは11.3mmで、重さは1.24kgだ。こちらも従来モデルの最厚部の数値(16.1mm)より薄くなり、質量(1.29kg)もわずかに軽くなっているのがわかる。カラーバリエーションは、シルバー、スペースグレイ、スターライト、ミッドナイトの4色を用意する。
特筆すべきスペックとしては、ディスプレイ輝度が500ニトあること、充電用のMagSafe端子を備えていること、1080pのウェブカメラを備えること、スピーカーとマイクをキーボードとディスプレイの間に配置していること、67Wアダプタでの急速充電に対応することなどが挙げられる。発売は7月からで、価格は16万4800円(税込)からとなっている。またM2搭載の新しい13インチのMacBook Proの価格は17万8800円(税込)からだ。
macOSに作業効率を向上させる「ステージマネージャ」機能。iPhoneがウェブカメラに
次世代のmacOS Ventura(ベンチュラ)では、ウィンドウを複数表示していてもすばやくアクセスしやすくなる新機能「ステージマネージャ(Stage Manager)」が追加される。イベント動画中のデモでは、コントロールセンターから同機能を有効にすることで、起動中のウィンドウが画面左側へ寄ってコンパクトに表示され、すばやく切り替えが行なえることが解説された。そのほかにも、パスワードレスな運用を目指した新機能「パスキー(Passkeys)」や、Safariのタブグループを共有できる「共有タブグループ」機能、メール送信を取り消せる機能など、魅力的な機能が多く紹介された。
特に興味深いのは、「連携カメラ」の新しい活用として、iPhoneのカメラをオンラインミーティングのウェブカメラとして活用する機能だ。超広角カメラの映像を処理することで、配信者の手元を映し出してくれる「デスクビュー」機能も利用できる。
ちなみに、ゲーミング関連では、3Dグラフィックス用のAPIである「Metal 3」について解説があった。同APIを採用した例として、Appleシリコン版『バイオハザード ヴィレッジ』が2022年後半にリリースされる予定だと明かされた。
macOS VenturaはiOSなどと同じく今秋に提供される。