3. 隠れた費用
事業展開の費用は予算内に収まる必要があるが、これには隠れたコストや予想外のコストも含まれる。中小企業支援サービスを提供するテクノロジー企業エンタープライズ・リーグ(Enterprise League)は同社のブログで、「これは当たり前だと思うかもしれにが、金銭面で考えるべきなのは家賃だけではない」と指摘している。
「事業の場所を選ぶときには、事業運営の隠れたコストも考えなければならない。改装や税金、各種設備のアップグレード、最低賃金の要件、経済的な助成制度は、コストの増大や節約につながる」
隠れコストにどんなものがあるかは、場所によって変わる。米国では、州によって法人税や固定資産税が異なる。水道水にミネラル分が多過ぎる地域では給水軟化システムの設置が必要になるなど、予期していなかった改修や建築コストがかかる可能性もある。
生活費が非常に高い地域を選ぶ場合は、従業員にも相応の給料を支払わなければならない。米国では、フルタイム従業員の67%が、生活費を考慮した給与設定を企業に期待している。
4. 広告・マーケティングのニーズ
マーケティングや広告のコスト・計画も、場所選びの基準となる。宣伝方法は、その地域に住む人々の年齢や性別、職業、世帯収入などによって変わるだろう。ターゲットオーディエンスが少なければ、マーケティング予算を増やしたり、ロケーション自体を考え直したりする必要があるかもしれない。
また、スケーラビリティ(拡張可能性)の観点も重要だ。店が他の店舗に囲まれていたり、高層ビルの20階にあったりする場合、客を引き寄せるのは難しいだろう。
事業の拡大を考えることは、非常に刺激的だ。しかし次の展開先を選ぶ前に、その場所の労働力開発の展望や、事業成功に必要なもの、隠れたコストが浮上する可能性、そのロケーションがマーケティング・宣伝計画にもたらす影響を考えることが重要だ。こうした点を考慮すれば、最良の事業展開先を選べるだろう。