次の事業展開先を戦略的に選ぶ方法

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事業に成功すると、新たな市場に新店舗をオープンさせて裾野を広げ、利益を増やしたいと思うものだ。ただ、展開先を選ぶ際には、最初の起業時と同じくらい慎重になるべきだ。しっかり考えた上で決断しなければ、後に問題が生じるかもしれない。

次の事業展開先を選ぶ際には、考えるべきことがいくつかある。例えば、その場所には自社がターゲットとする人々が暮らしているか、必要なのは製造施設のための大きな土地だろうか、それともオフィスビル用の小さな敷地だろうか、競合はどこに拠点を構えているか、といった問いに答えることで、必要なものをより明確にできる。

以下に、次の事業展開先を選ぶ際に考えるべき4つのポイントを紹介する。

1. 労働力開発


労働力は事業において非常に重要だ。そのため、その場所が労働力開発面で優れているかどうかを調べると、事業展開先を絞る上で役に立つ。住宅価格や生活費は安いだろうか? その地域には良い学校や博物館・美術館、公園、遊び場などはあるだろうか?

従業員に求める資質について考えておくこと。創造性や柔軟性、革新性などが必要だろうか? 従業員は、あなたの企業と同じビジョンや目標を持つべきだろうか? 理想の従業員と合致する人材がいる場所を探そう。ぴったりのコミュニティーを見つければ、人材探しは楽になるだろう。

2. 事業モデル


事業モデルも考慮すべき重要な要素だ。日々の運営の観点からは何が必要だろう? 小企業に関する記事を執筆するフリーライター、マット・ダンジェロは例として、「工業や、大量の商品を受け取る事業の場合、倉庫のスペースや、顧客に簡単に配送する選択肢がある場所を選ぶこと。出荷と商品の保管に特化した企業は、荷物の積み替えエリアなど特定の設備構造が必要だ」と指摘している。

また、その場所のインフラも評価すべきだ。探しているのは既存の建物だろうか? その建物には、自分の現代的な事業に必要な最先端技術を導入できるだろうか? セントラル空調の設備はあるだろうか? 階段やエレベーターは?

施設の新築を考えている場合、駐車場の十分なスペースはあるだろうか? 従業員や顧客、供給業者などが来やすい場所だろうか? その土地は関連する許可をすでに得ていて、すぐに着工可能だろうか?

過去に同じ場所で事業を展開した企業の成果も調べること。複数の事業が同じ地域で失敗したようであれば、その理由を特定しよう。あなたも同様の理由で失敗する可能性がある場合、他の場所を考えるべきかもしれない。
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編集=遠藤宗生

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