ジョニー・デップの裁判で、当事者たちより人気を集めた女性弁護士カミーユ・バスケス

カミーユ・バスケス弁護士(Getty Images)


今秋の中間選挙に出馬の切符も


メディアは、日に日にファンが増えるカミーユ・バスケス弁護士が法廷から出てくると、迎えの車に乗り込むまでに、200人の追っかけから拍手で迎えられる様子を連日報道した。

当然、ジョニー・デップも脂の乗った彼女のパフォーマンスに大変満足な様子だった。法廷の内外で、ジョニーとカミーユ・バスケス弁護士がハグをしたり、手や肘を握りあったりの2人のフィジカルコンタクトが何度も見られ、裁判の後半になってバスケス弁護士を追っかけるパパラッチが「あなたはジョニー・デップと付き合っているんじゃないの?」とマイクを向けて付きまとうほどの過熱ぶりだ。


いまや「スター」並みの人気、カミーユ・バスケス弁護士(Getty Images)

とはいえ、判決が出たというのに、この騒動はまだまだ収まらない。映画「アクアマン2」の行方だ。

アンバー・ハードは、この映画に準主役で出ることが決まっていた。しかし、この判決が出た途端に、同映画の制作会社の1人であるエグゼクティブ・プロデューサーのJ.L.フィッシャーが「アクアマン2」からは撮影済みの映像も含めてアンバー・ハードの姿は全て削除するとしたコメントが報道され、映画ファンは騒然としている。

公式な映画会社からのコメントは、いま現在確認できないが、プロデューサーの発言であるぶんこの事態は重く、#MeTooムーブメントに乗ってさらにこの業界で上に行こうとしたアンバー・ハードが、かえって映画ファンの怒りを買って地位を急落させていることを裏付けている。

極めつけは、戦場ではおっかないが、ひとたびそこを離れれば白い歯がこぼれるチャーミングなカミーユ・バスケス弁護士が、「アクアマン2」でアンバー・ハードの代役をやるべきだという署名活動がネットで盛り上がっているという有様だ。

裁判は常に当事者のものであり、決して弁護士のものではない。しかし、今回、セレブの原告や被告よりも注目を浴び、上司である主任弁護士以上に圧倒的な話題を集めたカミーユ・バスケスの今後の活動に大きな注目が集まっている。

テレビのコメンテーターや本の出版などの機会がたくさん押し寄せてくるに違いない。いや、もしかすると、今秋の連邦議員改選や州知事を含めた大型中間選挙への出馬の切符が彼女のもとに降ってくるかもしれない。

連載:ラスベガス発 U.S.A.スプリット通信
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文=長野 慶太

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