世界のどの都市にもルーフトップ・バーはある。だがパリのように、ワイングラスを傾けながら街の眺めを楽しむというのはなかなかできない経験であり、そうしたバーはローカルにも旅行者にも人気が高い。
Mama Shelter/ママ・シェルター
パリで最も知られていない、穴場ともいえるようなルーフトップ・バーのひとつは、19区にひっそりと隠れるように位置している。19区はこれまで旅行者にはあまり見どころがないエリアとされていたが、ここ数年で人気レストランやクラブが次々に誕生するホットなエリアになった。トレンディホテル<ママ・シェルター>の屋上が他と違うのは、丸ごと貸し切りができ、気の置けない友だちを17人まで招待できてしまうこと。パリ東部の夜景に浮かぶように揺れるたくさんのランタン、ゆったりしたラウンジは雰囲気たっぷり。ヘンドリックス・ジン、アップル・リキュール、ルバーブ、サトウキビ、ライムでつくる「ママラバー」など、楽しいカクテルが華を添える。さらに、もしもここを貸し切る場合、屋上で一夜を明かすことも可能となる。お薦めは金曜か土曜の夜。翌朝に、ワッフル、スモークサーモン、レモンタルトなどが出る、素晴らしいブランチが付いてくるのだ。
Galeries Lafayette and Printemps/ギャラリー・ラファイエットとプランタン
パリ右岸の2大デパートといえばギャラリー・ラファイエットとプランタンだが、それぞれが屋上に備えるレストランやバーは、街の絶景を楽しめる見逃せないスポットとなっている。プランタンの<ル・デリ・シウ>では、グラスワインと軽食がセットになったメニュー「アペロ」をオーダーし、日が沈むに連れ、きらきらと次第に灯りがともっていく街の夕景を眺めよう。ギャラリー・ラファイエットの<ラ・テラス>は、パワー・ショッピングの後のエネルギー補給にぴったり。ひとたび長い冬が終われば、このテラスはたっぷりと降り注ぐ日差しを求める人たちで常に賑うようになる。オペラ座のガルニエ宮から、遠くのエッフェル塔までを見晴らすことのできる、絶好の眺望スポットでもある。
その他の絶景ルーフトップ
お薦めの絶景ルーフトップ・バーは他にもある。ホテル<ホリデイ・イン・ノートルダム>の<ル・カラント・トロワ>から一望できるのは、あの有名な(ご想像のとおり)ノートルダム大聖堂。<ザ・ラファエル・ホテル>の広大なテラスには、駒が人の背丈ほどもある巨大なチェス盤があるが、そこからは凱旋門を見下ろすことができる。<ワーウィック・ホテル>の<Wレストラン>は、シャンゼリゼ通り近くの日当たりのいい中庭にあるし、マレ地区の<ポンピドゥー・センター>には<レストラン・ジョルジュ>という素晴らしい雰囲気の屋上庭園があり、ランチとディナー両方の食事やカクテルを楽しめる。ここのテラスは建物をぐるりと囲む形なので、夜景の美しさは言うまでもなく、素晴らしいパノラマビューを満喫することができる。
最後に、我々がパリ随一のルーフトップ・スポットとしてお気に入りの、秘密のスポットをお教えしよう。サントノレ通りにある<エルメス・ブティック>の屋上庭園だ。残念ながら一般には開放されていないのだが、これまでもしばしば夢のようなプライベートパーティの会場となってきた。パリならではのラグジュアリーを極めた環境でシャンパーニュに酔えるとは、なんともゴージャスな場所ではないか。
Three Stunning Paris Rooftop Bars