筆者は以前、ヤングがウェブサイト戦争の勝利戦略に関する書籍を著した際に編集の手伝いをしたことがきっかけで、同氏と知り合った。最高の人材を引き寄せるために、企業のウェブサイトができることについて、ヤングには強力なアドバイスがある。
「会社にとって喉から手が出るほど欲しい優秀な求職者も、まず企業ウェブサイトのトップページを匿名で訪問する。応募を検討している者にとっては、ここが企業研究の出発点になることが多いからだ」とヤングは指摘する。「ゆえにトップページは、顧客だけでなく、こうしたトップクラスの求職者にとっても魅力的に映るものでなくてはならない」
ヤングによれば、有望な見込み客を引き寄せるトップページのコンテンツは、トップクラスの求職者の目にも魅力的に映るはずだという。能力の高い求職者の注意を引くためのキーポイントについて、同氏は以下のようにアドバイスしてくれた。
ストーリーを語れ
まずは採用情報ページを作ろう。「採用情報ページでは、会社生活の実態を伝えるストーリーを語り、この会社で働くことのメリットにフォーカスし、実際に職場で働く人たちの写真を使うべきだ」とヤングはアドバイスする。「有能な求職者も、企業サイトの採用情報ページを訪問することで、この会社で働くことの実態をイメージできるはずだ」トップページは超一等地
トップページに載せるコンテンツは、この会社に応募する求職者にとっても意味があるものでなければならない。「ウェブサイトのエンドユーザーに寄り添った言葉遣いを心がけ、彼らにとって重要な事柄にフォーカスすべきだ」とヤングは強調する。「簡潔さを保つよう留意しよう。長文のテキストが続く大きなブロックが並ぶようなデザインは避けるべきだ。簡潔なテキストからなるコンテンツのブロックに、内容がひと目でわかる見出しやアイコン、画像、グラフィックなど添えたデザインを採用しよう」
従業員の協力も大事
従業員たちにも、採用プロセスに参加してもらおう。ヤングはこう助言する。「従業員それぞれに、この会社で働く理由を3つ挙げてもらい、そこからわかった事柄を、採用情報ページのカギとなるメッセージに活用するといい」会社の良いところを積極的にアピールする
この点について控えめでいるのは得策ではない。「会社が実現した主な成果について、明確に述べることが望ましい」とヤングは指摘する。「これは、応募者と見込み客の両方にとって大きな意味を持つ。会社が提供しているサービスや製品を具体的に紹介する前に、会社の良いところをアピールしておこう」リアリティを重視しよう
2022年の今、写真や動画は大きな意味を持つ。「実際に会社で働いている人たちの写真を使うべきだ」とヤングは提言する。他社のウェブサイトでも見かける、明らかにフリー素材とわかる写真を使うのはやめよう。ヤングによれば、どうしても使う必要がある場合は、これも会社のブランドを構成する要素である以上、特に質の高い写真を使用するべきだという。写真のキャプションで会社を紹介し、写真に写っている従業員の名前を明記しよう。ただしその際には、従業員から書面で同意を取り付けておくことを忘れないことが肝心だ。
リンクで人脈の輪を作ろう
「可能であれば、チームメンバーのプロフィルおよび各人のリンクトインアカウントにリンクを張っておこう」とヤングは勧めている。求職者は、この会社に入ったらどんな人たちと働くことになるのかを知りたがっているからだ。これはいわば、社内の人脈をソーシャルメディアで裏付けるようなものだ。これらのポイントを踏まえて、ヤングはこうアドバイスしている。「コロナ禍を経て、人材採用や人員配置に関して、我々は未知の領域にいる。助言を必要としている企業も多い。こうした会社のウェブサイトやデジタルマーケティングの取り組みも、企業が求める人材を引き寄せるためのツールとしての価値を持つ必要がある」