経済・社会

2022.06.02 12:00

ファイザーのコロナ経口治療薬、症状再発なら「人にうつす」恐れも?

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米製薬大手ファイザーの新型コロナウイルスの経口治療薬、「パキロビッドパック(Paxlovid)」を服用し、症状が治まった後に再び新型コロナウイルス感染症(Covid-19)の症状が出始める「リバウンド(ぶり返し)」を経験した人は、その症状が再び現れる前から、他の人にウイルスをうつしているかもしれない──。

米退役軍人省所管の医療機関とコロンビア大学などの研究者からなるチームのメンバーの一人、ボストン退役軍人医療センターのマイケル・チャーネス医師はCNNに対し、「リバウンドした感染者(パキロビッドを指示どおり5日間服用し陰性となったものの、再び陽性と判定された人、または症状が再発した人)には、……ほかの人を感染させる危険性がある」と述べている。

研究チームがプレプリント(査読前論文)・プラットフォームのリサーチスクエアに発表した論文によると、チームは抗ウイルス薬のパキロビッドを服用した後にリバウンドした、免疫機能に問題がない31~71歳の10人について調査を行った。

その結果、2人が「リバウンド」し、ほかの人にうつしていたことを確認したという。1人は63歳の男性で、家族2人にうつしていた。また、67歳の男性は、症状が出ていない間に会った生後6カ月の乳児を感染させていた。

米疾病対策センター(CDC)はこの調査結果を受けて5月24日、パキロビッドについて注意を喚起するための文書を公表した。症状が再発した人は少なくとも5日間、自主隔離するよう勧告している。

一方、CDCは、これまでに報告されているパキロビッド服用後のリバウンドのケースは回復してから2~8日後に再び症状が出始めているものの、いずれも軽症であり、その後の治療は特に必要ないとしている。

ファイザーが実施したパキロビッドの臨床試験では、リバウンドした人は1~2%だったという。だが、論文の著者であるコロンビア大学のデビッド・ホー教授(微生物学・免疫学)は米誌タイムに対し、リバウンドを報告している人は非常に多く、「1、2%のはずはない」と述べている。
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編集=木内涼子

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