ビジネス

2022.06.02

全国各地でビジネスアイデアが続々! いま応援したいローカルイノベーター15選

オイカワデニム


島田義久|ミライエ|島根県松江市

──消耗品要らずのエコ脱臭装置

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もともと生ゴミなどの有機廃棄物から堆肥を生産する設備を製造・販売していたが、技術ノウハウを生かして独自の脱臭装置「多孔質ガラス脱臭システム」を開発。多孔質ガラスに高濃度で菌を定着させて脱臭するという仕組みで、一般の生物脱臭と比較して約7倍の除去効率を誇る。

従来の脱臭装置は消耗品を買い続けなければいけないというネックがあったが、ミライエの脱臭システムは、基材の交換が半永久的に不要で、維持費用を大幅に削減できる。2021年には大手商社の丸紅とも提携。今後は量産モデルを開発し、産業廃棄物処理や養豚、養鶏場などに拡販していく計画だ。多孔質ガラスの原料に太陽光発電の廃パネルを利用することも検討している。

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島田義久◎島根県松江市出身。広島大学経済学部を中退後、靴メーカー勤務を経て、2000年に第一コンサルタント(現・ミライエ)入社。2006年に代表取締役就任。

IMPROVEMENT ビジネス改良型モデル


デジタルやロボットの活用などによって既存産業のビジネスモデルを改良することで、新たな需要を狙うモデル。

竹延幸雄|KMユナイテッド|大阪府大阪市

──現場監督、激務からの解放へ

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現場を引退した熟練職人を指導員として現場監督は、監督業務に加えて膨大な書 起用し、未経験者を早期に戦力化できる人類作成に追われており、大半の時間を事務 材育成プログラムを構築したことで知られる作業に費やしている。

建設アシストは、こ 1950年創業の建設塗装会社、竹延。そのの書類業務を担い現場監督の負担を軽減 3代目である竹延幸雄が、建設業界の課題することで、残業の多さや休日の少なさに 解決を目的に立ち上げたKMユナイテッドで起因した離職を低減するとともに、建設現 は、現場監督の書類業務をサポートする場の生産性向上に寄与する。すでに大手建 BPOサービス「建設アシスト」に力を注ぐ。設会社などが導入を進めている。

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竹延幸雄◎大手鉄鋼メーカー、広告会社を経て、2003年に妻の実家である竹延に入社。職人育成のKMユナイテッドを起業。鹿島建設との塗装ロボット共同開発も手がける。

白神康一郎|白神商事|岡山県岡山市

──建設業界の多重下請け構造に風穴

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建設業界の多重下請け構造に風穴瓦や板金屋根材などの卸を手がける白神商事の3代目社長、白神康一郎が力を注ぐのは、屋根工事店と消費者のマッチングサイト「やねいろは」事業だ。ハウスメーカーや工務店を介さずにやりとりができることがポイント。消費者は割安に注文することができ、屋根工事店は元請けとして仕事を得られる。

屋根工事店の紹介サイトはほかにもあるが、その内容は企業概要程度のものがほとんど。「やねいろは」は、消費者が安心して注文できるように、各工事店の職人を取材した独自記事を掲載する。また、7年以上の実務経験を積んだ職人が在籍することが工事店掲載の前提条件だ。現在は全国375店が登録しており、多重下請け構造が根づく建設業界に新風を起こしている。

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白神康一郎◎東京大学大学院工学系研究科地球システム工学専攻修了。野村證券の投資銀行部門を経て2013年、家業の白神商事に入社し、代表取締役に就任した。
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文=フォーブスジャパン編集部 イラストレーション=ジョン・デヴォル(フォリオアート)

この記事は 「Forbes JAPAN No.092 2022年月4号(2022/2/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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