1つ目に、情報ややり方ではなく結果に注目すること。流行の大半に共通する点として、意見としては聞こえはよいが、求められる成果を出せないことがある。
人気の活動には、確固としたアイデアに基づいてはいるが時間や金の制約があり、リーダーの関与が少な過ぎることなどから効果が低いものもある。戦略策定のための合宿などは、学びや焦点を定めること、実現に数カ月かかるような行動や説明責任の確立などの価値をもたらし得るものの、議題や文脈が初めから決められていなければ価値のない活動になる。
私はコンサルティングをしてきた20年以上の間に、聴衆を楽しませることができ個人的なストーリーを語るものの、必要な結果を実現する方法には欠ける有名な講演者に企業が数百万ドルをつぎ込むのを見てきた。
こうしたことが起きるのは、リーダーが意図せず間違った目的や成功の基準を使っている場合であることが多い。その結果、楽しいイベントではあったが情報はほとんど得られず、決断も下されず、決断が下された場合も説明責任が不明なものに終わってしまう。
2つ目に、人々が何のやり方を変えるべきか、それがなぜ重要なのかを明らかにすること。決断が戦略的・体系的な影響を与える場合や、介入が戦略的・体系的な面のどちらかに影響を与えることを意図したものである場合、リーダーはその決断に注目する価値がないと考えていても無理やり押しのけることはできない。
経験豊富なリーダーは、目に見える価値がもたらされないだけでなく信用性を失うような楽しげな流行に惑わされず、効果的な質問をし、組織の目標が議論の中心であり続けるようにすることができる。
3つ目に「特効薬」には注意すること。どのように船の方向性を変えるかはリーダーが決めることだ。組織が20度北にかじを切るにせよ、60度東にかじを切るにせよ、進路変更には常にそれに伴う体系的な思考や行動が必要だ。
優秀なリーダーには優れた判断力があるものの、完全無欠ではない。こうしたリーダーは、自分がこれまでもこれからも間違いを犯すことに気づいているため、他のあまり成功しないリーダーとあらゆる面で異なる。
素晴らしいリーダーは結果に焦点を当て、どの行動が目標に沿っているかを明らかにし、正当な疑念を持って陳腐なものや真新しいものを見る。優秀なリーダーは、自分は英雄的だという考えに陥らず、テクニックではなく信念をよりどころにして良い決断を下すのだ。