優秀なリーダーが悪いアドバイスを見分ける方法

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大半のリーダーは、自分には優れた判断力があり抜け目がないとさえ考えていて、そう簡単にはだまされないものだと思っている。結局のところ、賢くも思慮深くもなければリーダーになれないはずだ。

成功を収めるリーダーは賢く、勇気があり、決断力があるかもしれない。それでも、リーダーは人間で、もろい存在だ。しかし、リーダーはこのことを忘れてしまう場合があり、それには大きなリスクがある。

規模にかかわらず組織で働いたことがある人の大半は、効果がない誤った決断により大きな代償を払った経験があるはずだ。その原因の一つは、ひどい助言を聞き入れたことにある。多くの場合、こうした助言はひどいものであることがうまく隠されている。

まずいアドバイスを見分けることは、なぜこれほど難しいのだろう? また、一度こうした悪い助言を受け入れた場合、その後方向転換をすることが難しい理由は何だろうか?

間違いが起きる主な理由は知識の欠如で、これが時に耐えられないほどの重みを持つ。ゲーリーと呼ばれるあるリーダーは「間違っていたとしても何かをすること。間違った決断は修正できるが何もしなかったことは修正できない」とよく語っていた。

ゲーリーのキャリアは20年間順風満帆だったものの、コスト削減のコンサルティングに数百万ドル(数億円)を費やした結果、2年後にはコストがこれまでになかった水準にまで増加し、彼のキャリアは急停止した。彼はあいまいさや優柔不断が全く許容できず、失敗することが明白な対策を受け入れてしまったが、この対策は根本原因に対処しないものだった。

優秀なリーダーは、不確実性と自信は相互排他的なものではないことを知っている。こうしたリーダーは「事実」を信じ過ぎないことを学習しているため、新たな情報が現れたときには考えを変えることができる。

素晴らしいリーダーは、アイデアを時々試すほどの好奇心はあっても、一時的な流行や傾向、新たな人気のものなどには惑わされにくい。良いリーダーは新たな仮説を試す意思を持ちつつ、その基本が間違っている場合は消し去る力も持っている。

害があり、時に大きな代償をもたらしかねないアドバイスについて、優秀なリーダーから学べることは何だろう?
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翻訳・編集=出田静

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