【ランキング】日本の富豪 トップ50
ロシアのウクライナ侵攻がもたらしたエネルギー・商品価格のさらなる上昇が、景気回復に対する日本の希望を押し流したと言えるだろう。前回の日本長者番付を発表した昨年4月以降、円相場は対ドルで17%下落。その影響は株式市場にも及び、日経平均株価は12%値下がりした。
そうしたなか、最新の番付に入った富豪のうち38人が、1年前から資産を減らしている。50位の資産額は今回、昨年の11億5000万ドルから9億2500万ドルに減少した。
番付トップ3は──
最新の番付で首位となったのは、昨年2位だったファーストリテイリングの会長兼社長、柳井 正。保有する資産は前年比およそ44%減の約236億ドル(約3兆円)だった。衣料品大手ユニクロの国内・中国市場における売り上げの低迷が、親会社であるファーストリテイリングの株価に影響した。
今回初めて2位につけたのは、ファクトリー・オートメーション用センサなどを手掛けるキーエンスの創業者、滝崎武光。ただ、保有資産はおよそ42億ドル減り、約216億ドルとなっている。
昨年のトップ、ソフトバンクグループの創業者である孫 正義は今回、順位を2ランク下げた。資産額はおよそ211億ドルで、昨年の約444億ドルから50%以上減少している。今回のランキングに入った50人中、金額(ドル換算)でも変動率でも、マイナス幅が最も大きかった。
一方、世界経済の混乱が続くなかで、初の番付入りを果たした富豪も6人いた。ホスピス事業などを手掛けるアンビスホールディングスの創業者、元研究者の柴原慶一がその1人だ。精密加工装置の製造・販売などを行うディスコの創業家である関家一家、化粧品会社DHCの創業者である吉田嘉明、茶・清涼飲料水メーカー伊藤園の会長、本庄八郎も、初めて番付に名前を並べている。