ビジネス

2022.06.01 18:00

「商品への満足」を継続させる、顧客コミュニケーションの秘訣

北の達人コーポレーション社長 木下勝寿

北の達人コーポレーション社長 木下勝寿

「北の大地、北海道において高い技術と能力を持ち活躍するプロフェッショナル集団でありたい」という思いが社名に込められた、美容・健康商材をD2Cで販売する北の達人コーポレーション。東証一部上場後も成長を続け、その圧倒的な利益率の高さでも知られている。そんな同社を牽引する代表取締役社長 木下勝寿氏に、起業家にとって重要な素養、利益を生み出す事業の創り方などについてDIMENSIONビジネスプロデューサーの伊藤紀行が聞いた。(全3話中2話)

第一話:マインドだけでは成功しない 起業家が陥りがちな「お金の失敗」


顧客満足率を高めるのは「商品品質」


──定期購入の売り上げが約7割を占める御社の、継続的なファンをつくるマーケティングとは。

まず解約率を下げるという考えを弊社は持っていません。むしろ必要のないものを買っていただくのは良くないという考え方です。

つまり新規顧客獲得に関してはマーケティングですが、リピート顧客獲得に関しては商品品質によるものが大きいと考えているのです。

ではお客様が商品に満足しないのはどういう時かと言うと、当社のような美容・健康食品系商材だと「効果を感じなかった」時。それが起こる理由を紐解くと、「自分には合わない」というものがある一方で、「正しい使い方をしていない」という理由も結構多いのです。

なので我々はお客様に使い続けていただくために「正しい使い方を徹底して伝える」ことに非常にこだわっています。使い方の説明同封物も全社員で隅から隅までチェックし、説明が分かりやすいかどうかを検討し尽くしています。また、お客様がわからないことがあったら何でも相談いただけるよう、カウンセリング専門の窓口も整備しています。

まずはお客様にベストな使い方をしていただく。そのうえで、効果が無かったらそれは我々の商品の実力不足です。自信を持って販売している商品だからこそ、「正しい使い方」を伝える努力は惜しみません。



──長期的に使うことで効果が上がる商材もあるのではないかと思います。販売する際の顧客コミュニケーションで気をつけているポイントは。

まずは正しい情報の伝達。例えばお肌の美容商材の場合「皮膚構造の説明」から始めます。人間の肌はハタチ前後では、28日周期で生まれ変わっていくと言われています。それを知っていただければ、皮膚が良くなるにはどうやっても28日以上かかると理解いただけますよね。

そして、正しい情報を伝えるための、先ほど申したカウンセリング専門チームの存在です。

昔はカスタマーサポート部門が担当していたのですが、受注処理などの業務と並行していて、どうしても一人一人のお客様と向き合うことができませんでした。

なので年商が10億円を超えた頃から完全にチームを分けて、カウンセリング専門のチームを作りました。ここでは常に勉強の時間も業務時間内に作っていて、お客様からのさまざまなお問い合わせに対してどうお答えするのが良いのか研究しています。

医者のアドバイスには優しさよりも正確さを求められるように、カウンセリングチームはプロとして正しい情報をお客様に伝えるよう、日々試行錯誤しています。
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文=伊藤紀行 提供元=DIMENSION NOTE by DIMENSION, Inc. 編集=露原直人

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