失敗への恐怖を克服したいなら、事前に分析し計画しよう

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キャリアの転機を乗り切る

自身がキャリアの岐路にさしかかった時の経験から、リュッティマンは、現在仕事に行き詰まりを感じている人に向けて、いくつかアドバイスを提供した。

「仕事に行き詰まり、魂がすり減っていくように感じて、先が見えずにいるなら、あなたは、CEOのように契約解除の交渉に臨むべきだ」と、リュッティマンは言う。実際、多くのCEOは任期中に契約解除交渉を経験する。

経営幹部のように契約解除交渉をおこなうにあたって、リュッティマンは、まずは弁護士に相談し、そのあと、上司にどんなふうに話を切り出すかをブレインストーミングするよう勧める。例えば、あなたの業務内容が年月とともにどう変化してきたかを分析するのもいいだろう。業務上の責任が大幅に変化したことをうまく説明できれば、契約解除交渉への道が開けるかもしれない。

話を切り出す決心がついたら、リュッティマンはもう一つの事前分析として、交渉がどんなふうに失敗しうるかをあらかじめ予測しておくことを勧めている。こうした失敗を回避する具体的な方法として、彼女は既存のリソースを活用するようアドバイスしている。

セラピーによる恐怖の克服

事前分析は、恐怖の克服にきわめて有効なツールだが、リュッティマンは、セラピーの受講やその他のメンタルヘルス関連の支援を受けることも奨励している。彼女によれば、人々が今現在直面している問題の多くは、過去のトラウマや経験に根本的な原因があり、より本格的な支援やサポートが必要な場合も少なくないという。こうしたケースで、そうした支援に頼ることに、引け目を感じる必要はまったくない。

従来のセラピーが利用できない場合は、企業内でおこなわれている社員支援プログラム(EAP:Employee Assistance Program)を調べてみるよう、リュッティマンはリスナーに勧めている。「EAPは十分に活用されていないが、プロのコーチングと治療的介入を融合させた、すぐれた選択肢になりうる」と、リュッティマンは言う。

リュッティマンは最後に、リスナーに対して、恐怖を回避するよりも直接向き合ったほうがいいとアドバイスした。「結局のところ、いま対処するか、あるいは、あとになって余裕がなくなり手に負えなくなってから対処するかの、どちらかしかないのだから」

翻訳=的場知之/ガリレオ

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