イベントではトークセッションも行われ、森美術館の特別顧問を務める南條史生氏とGMOインターネット代表取締役の熊谷正寿氏が登壇。「デザイン、ライフスタイル、そしてビジネスをアップグレードする、アートの可能性とは?」をテーマに語り合った。
自身もアートコレクターである熊谷氏は、すでにオークションにエントリーしたことを表明。ジェフ・クーンズの魅力について、「めちゃくちゃビジネスマン。市場や経済を最もよくわかっている現代アーティストで、彼の人生や生き方に関心があります」と語った。
一方、ジェフ・クーンズと面識がある南條氏は、「非常にナイーブな人」と表現。「変な戦略もないし、嘘もない。ストレートに表現する」と、モダンアートの巨匠の一面を明かした。
森美術館特別顧問 南條史生氏(左)GMOインターネット代表取締役 熊谷正寿氏(右)
アートオークションの売上高が伸びるなど、昨今の世界的なアート熱の高まりについて、南條氏は「クリエイティビティが落ち込んでいるからこそ、アートへの機運が高まっているのではないか」と分析。熊谷氏は、「ネット時代は共感の時代で、共感を呼ぶのはテキストよりもビジュアル。昨今アートが重要視されているのは、インターネットとの相関関係があると思う」と語り、話はさらにデジタルアートやNFTの可能性について広がっていった。
BMWのオリバー・ツィプセCEOは、THE 8 X JEFF KOONSについて、「コレクター・アイテムとして美術館で展示されるだけではなく、路上でも活躍する」ことを願っているという。日本では、誰がそのハンドルを握ることになるだろうか。