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2022.06.08 07:30

予定を「こんまり」せよ。成功の秘訣は『タイムオフ』だった

Getty Images

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コロナをきっかけに在宅勤務が普及し、通勤から解放されるのとは裏腹に、気がついたら家でノンストップで仕事をしてしまっていないだろうか。休むことに罪悪感を感じたり、有休消化が簡単ではないとされたりする日本では、燃え尽きなど、長時間労働を続けることによる弊害も指摘されている。

休むことの大切さは度々強調されているが、じゃあ、一体どうやったらうまく休めるのか?そんな疑問の答えが詰まった本『Time Off(タイムオフ、休暇)』が欧米で話題になっている。日本語の翻訳は現在準備中で、2023年刊行予定。

本書は、質の良い休みと、生産性やクリエイティビティーとの関係について、歴史上の人物や現代のリーダーまで、幅広い分野の人たちの事例をもとに紐とく。また、そもそもなぜ休みが必要なのかについて解説するとともに、罪悪感を感じずに休みを取る方法、仕事から離れるコツなども紹介している。

本書の中で、現代のリーダーの一人として紹介されているのが「こんまり」こと近藤麻理恵さん。彼女は家にあるものを片付けて、「ときめき」をもたらさないものは捨ててスペースを作る取り組みで知られているが、この本の考え方もそれに通ずる。

例えば、仕事とプライベートの予定が詰まったカレンダーを眺めて、クリエイティビティーと喜びをもたらさない予定については無くして時間を作り、休む時間を生み出すのだ。近藤氏がカテゴリーごとに家の中を整理することを提唱しているように、カレンダーの整理も、「仕事」「家庭」などカテゴリーごとに行うのが良いという。

共著者であるマックス・フレンゼル氏はインペリアルカレッジロンドンで量子力学の博士号取得後、東京大学でポスドクとして働いた後、2020年にこの本を出版した。現在も東京在住のフレンゼル氏に、本を書いたきっかけと休むことの大切さについて話を聞いた。


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──著書『Time Off』を簡単に紹介すると?

フレンゼル氏:(以下略)『Time Off』というと怠惰、という印象を持つかもしれないが、そうではなく、逆に休みを取ることで生産性が上がる、良い仕事ができる、よりクリエイティブになることができる、という考え方を様々な項目における人物像やエピソードを通じて提示した本だ。

自身の経験では、クリエイティブなアイデアがひらめいたり素晴らしい仕事ができたりするときは、落ち着いていて穏やかで、忙しさにかまけている状態ではないことが多い。休みを取ることは、怠けるのとは逆で、人生を目一杯生きることができたり、生きる楽しみを見つけたりすることができる良いサイクルを生み出すものだという考えをベースに、歴史的に見て過去・現在における休みかたのベストプラクティスについて、アリストテレス、アリアナ・ハフィントンなどの人物のエピソードを紹介しながら言及した。


『Time Off』を共著で著したマックス・フレンゼル氏
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取材・文=高以良 潤子 編集=石井節子

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