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2022.05.28 11:30

エアビー創業者が高校の卒業生全員に株を贈呈、合計2.8億円

エアビーアンドビー共同創業者のジョー・ゲビア(Getty Images)46778

エアビーアンドビー共同創業者のジョー・ゲビア(Getty Images)46778

5月25日、ジョージア州のブルックウッド高校の卒業セレモニーに登壇したジョー・ゲビア(40)のスピーチには、あるサプライズが用意されていた。エアビーアンドビーの共同創業者で推定78億ドル(約9900億円)の資産を持つ彼は、卒業生全員に同社の株を贈るのだ。

ゲビアは25日のスピーチの中で、「私は、私の夢の一部をここに居るみんなに差し出して、それがみんなの夢を刺激して、夢を実現できるんだと思わせたい」と述べた。

ブルックウッド高校の890人の卒業生は、それぞれ22株のエアビーアンドビー株をゲビアから贈られる。これは、25日の終値の1株110.40ドルに基づくと、1人あたり約2400ドル相当の株式ということになる。ゲビアは合計で220万ドル(約2.8億円)近くの株式を卒業生らに差し出した。

ゲビアは、2022年度の卒業生たちに22株を贈るという試みが、彼らの夢の実現を支援するための「ちょっとしたシード投資」だと述べた。

「私は、自分が卒業式のときに受けたアドバイスを全然覚えていないし、みんなもきっと覚えていないだろう。だから、記憶に残るようなことをしようと思ったんだ」と、ゲビアは話した。

そして、スピーチの最後を、次のように締めくくった。「どうか、これを夢のために投資してほしいと思う。暗号通貨に全部使ったりしないように」



2000年にブルックウッド高校を卒業し、ロードアイランド・スクール・オブ・デザインに進んだ彼は、エアビーアンドビーを立ち上げるためのスキルの一部を、高校で学んだと信じている。彼は昨年、自身がかつて所属していたブルックウッド高校の芸術学部とクロスカントリーチームのために70万ドルを寄付していた。

現在、エアビーアンドビーの最高プロダクト責任者を務めるゲビアは、社内のデザインスタジオ「サマラ」を運営し、同社の非営利組織のAirbnb.orgの会長も兼務している。

スナップ創業者は学生ローンを肩代わり


ゲビアはまた2020年には、サンフランシスコのホームレスの団体に2500万ドルを寄付していた。さらに、ゲビアとエアビーアンドビーの共同創業者のブライアン・チェスキーとネイサン・ブレチャージックらは、2016年にギビング・プレッジ(Giving Pledge)に参加し、資産の半分以上を慈善活動に寄付することを宣言した。

学校の卒業式に招かれたビリオネアが、学生らに直接的な支援を行うことは近年、一般的になりつつある。スナップチャットの創業者のエヴァン・シュピーゲルは先日、妻とともに、ロサンゼルスにあるオーティス芸術デザイン大学の卒業生全員の1000万ドルを超える学生ローンを肩代わりすると報道された。

これまでの大学の卒業生に対する最大の寄付は、アメリカで最も裕福な黒人とされる投資会社ビスタ・エクイティ・パートナーズのCEOのロバート・スミスによるものだ。彼は2019年に、モーハウス大学の卒業生全員の学生ローンを負担するために、3400万ドルを支払った。しかし、彼はその1年後に脱税での訴追を免れるため1億4000万ドルを支払うことで米当局と合意していた。

編集=上田裕資

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