ビットコインの価格は25日時点で、約2万9800ドル前後であり、この価格はJPモルガンの評価を約28%下回っている。
同社は25日の顧客向けメモで、暗号通貨が「不動産に代わる好ましいオルタナティブ資産クラス」だと述べ、暗号通貨をヘッジファンドと共に優先的に評価していくと述べた。
JPモルガンの評価は、現在、昨年の史上最高値の6万8721ドルの半分以下で取引されているビットコインと、その他の暗号通貨への信任といえる。金利の上昇やウクライナ戦争の影響に加え、暗号通貨市場は、ステーブルコインのTerraUSDとその姉妹トークンLUNAの500億ドルの崩壊の問題に直面している。暗号通貨の時価総額は現在1.3兆ドルで、11月の3兆ドルから劇的に減少している。
JPモルガンのストラテジストのニコラオス・パニギルツォグロウは、「過去1カ月の暗号通貨市場の調整は、昨年1月から2月との比較で、地合いが好転し始める予兆と考えられ、今後は幅広く上昇すると見ている」と報告書に記している。
報告書はさらに、「2018年から2019年に発生したような長い冬を避ける上で、重要になるのがVCからの資金だ」と述べている。JPモルガンがそう述べた25日に、イーサリアムのスケーリングソリューションを開発するStarkWareが評価額80億ドルで1億ドルを調達した。また、アンドリーセン・ホロウィッツの暗号通貨ファンドも45億ドル(約5700億円)を調達した。
「TerraUSDの崩壊を受けてVCの資金が枯渇するような兆候はほとんどない。今年の年初から暗号通貨分野に注がれた資金は250億ドルに達しているが、そのうちの40億ドル近くはTerraの崩壊の後に調達されたものだ」とJPモルガンは指摘した。
「我々の最良の推測は、今後もVCからの資金流入が継続し、2018年から2019年のような長いクリプトの冬が回避されるシナリオだ」と、彼らは述べている。