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2022.05.27

カナダグース、アジア事業をさらに強化へ 「コロナ後」に期待

Getty Images

カナダグースは先ごろ、2022年第4四半期(4月2日まで)の決算を発表。年間売上高が初めて、10億カナダドル(約1000億円)を超えたことを明らかにした。

ダニー・リースCEOは決算発表会で、「私たちのブランド、ビジネス、そしてチームに自信と確信を持っている」と述べ、今後のさらなる成長に期待を示した。

同社は年間売上高のおよそ50%を稼ぎ出す北米以外の市場のなかでも、特にアジア太平洋地域について、大きな計画を立てている。中国本土では現在、新型コロナウイルスの流行の影響を受け、13カ所ある店舗のうち4カ所が一時閉鎖している。だが、中国を含む同地域でのビジネスは、2023年第3四半期には従来の水準に回復すると予想している。

日本では長年のパートナーであるサザビーリーグとの合弁により、カナダグースジャパンを設立。自社にとってアジアで2番目に大規模な市場である日本で、売上高を前年比で2倍に引き上げることを目指している。また、韓国でも先ごろ、ロッテグループと販売代理店契約を締結。同国での事業も、さらに拡大していきたい考えだ。

カナダグースはそのほか、世界各地で新店舗の開業を予定。それらが今後の成長により一層、勢いを与えることになると見込んでいる。現在ある44店舗に加え、オランダ・アムステルダムと英マンチェスターでポップアップストアをオープンするほか、合わせて13店舗の新設を計画している。

新たな店舗の所在地は、今のところ明らかにされていない。ただ、リースCEOは、「地理的には、比較的にバランスの取れた」場所に出店することになるとコメント。新店舗は、米国、EMEA(欧州、中東、アフリカ、ラテンアメリカ)、中国本土、日本での同社のビジネスに、「大きな貢献をすることになる」としている。

また、カナダグースにとって、売上高と利益の両面において極めて重要な役割を果たしているのが、DTC(消費者直接取引)チャネルを介した販売に関する戦略だ。2022年に67%だった全売上高に占めるDTCの割合は、2023年には70~73%に増加すると予想している。また、売上総利益率は76%、限界利益は40%代後半になる見込みだという。
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編集=木内涼子

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