一方、コロナ前のように毎日顔をつき合わせて、時には飲みに行くことを通じてお互いを知ることは、リモートワークではなかなか難しい。同僚や上司とはビデオ会議でしか会ったことがない同僚や上司をお互いに「知る」には──?
筆者が、コロナ禍で新しい環境で仕事に取り組んだ際、そのコミュニケーションの斬新さと有益さに感心させられた「自分のトリセツ(取扱説明書)」について紹介する。
「子供の迎えで17時にはオフライン」などの情報も
筆者は、新しく一緒に働くチームメンバーから「自分のトリセツ」を共有された。ワード2枚分の、言ってみれば詳細な自己紹介文だ。
内容としては、「自己紹介」「はたらく時間」「こんな人間です(性格)」「コミュニケーションスタイル」「コミュニケーションチャンネル」「仕事の後は(趣味など)」に分かれていて、それぞれ1段落ずつコンパクトにまとまっていた。それぞれの項目について説明する。
1. 基本情報(名前、出身地など)
「自己紹介」は、新しい会社に入った時、新しいチームに異動になった時に誰でもする挨拶のようなもの。名前と出身地、抱負など、型どおりの情報だ。グローバルなチームの場合は、出身の国や地域、エスニシティなども書かれていることも。
初日の挨拶はここで終わることが多いと思われるが、この「自分のトリセツ」は、これ以降が本題だ。2つ目の「はたらく時間」は、まさにリモートワークやフレックスで働く場合に役立つ情報で、労働時間や時間上の制約について説明されている。
2. はたらく時間
各人が通常働いている時間(例:午前8時から午後5時、日本時間GMT+9)に加えて、子供を迎えに行かないといけないので毎日午後5時にはオフラインにならないといけない、などの情報もここに盛り込む。「お互いの制約がどこにあるのか」を知っていた方がスムーズに仕事を進められる。
3.「こんな人間です」
次に、「こんな人間です(性格)」は、「自己紹介」を補足するものだが、一人で考えることを好む、チームを盛り上げるイベントを企画するのが好き、など、一緒に仕事をする相手が自分の性格的傾向として知っておいた方がやりやすくなる自分に関する情報を書くのが有益だ。