全国2700社が導入する話題沸騰のマネジメント法「識学(しきがく)」の代表・安藤広大氏は言う。
凡人でも高学歴の人に勝てる、仕事ができる人になる方法は?
数字によって自分の不足を客観的に受け入れ、次の行動設定や行動変容につなげることによって、人は「急成長」する。
氏の最新刊『数値化の鬼』から、「感情を横に置いて、いったん数字で考える」「一瞬だけ心を鬼にして数値化する」など、頭を切り替える思考法を、ダイヤモンド・オンラインの記事よりの転載でお届けする。
「行動量」だけを考えよう
人は「量」より「質」を求める生き物です。行動する前から「失敗したくない」という思いが強くあることでしょう。
特に、高学歴だったり、前職での成功体験がある人ほど、プライドが高くなり、失敗を恐れるようになります。優秀であればあるほど、計画に時間をかけすぎて行動量が落ちてしまいます。
そこから脱するためには、まず「行動量」にフォーカスすることです。
日々の業務の中でやらなければいけないことを「何回やったのか」「1日に何時間できたのか」と、行動量を増やすことだけを考えてください。
時間というフレームで考えるのは、残業してダラダラ長時間やるのでは意味がないからです。
「先延ばしする人」の3つの特徴
それでも行動まで時間がかかるのは、3つの理由が考えられます。
1つ目は、「何をすればいいかが明確じゃないから」です。これは、「P(計画)」の数値化が甘いことが原因です。計画や目標の中に数字がないから次に移れないのです。
2つ目は、「失敗したくないから」です。これは、「D(行動)」のあとのフォローが重要になってきます。失敗することで、大きな罰を受けるのであれば、おのずと行動は減ります。しかし、実際はそんなことはないはずです。
3つ目は、「上司やリーダーの言うことが納得できないから」です。上の人の指示に疑問を持っている状態ですね。
もちろん、わからないことは聞いて解決することが一番です。ただし、2つ目の理由ともつながってくるのですが、根本的な「理解」や「腹落ち」は遅れてやってくるものです。実際にやってみて、「そういうことだったのか」と気づくのが正しい順番です。
その場合は、まずは「言われたとおりにやってみる」ことです。やってみて、失敗やエラーが起こることは必要なのです。それに対する責任や罰則なんて、プレーヤーレベルの仕事では存在しません。大いにチャレンジして、大いに失敗すればいいのです。
「数をこなす」こそ基本中の基本
著名なヒットメーカーや有名デザイナーも、話を聞いてみると、驚くほどの量をこなしていることがわかります。
そのうちのいくつかが圧倒的に成功すると、あたかも「それしかやっていない」ように見えます。行動量は「見えない努力」だからです。
しかし、有名な作品を世に出している人ほど、圧倒的に多くの失敗作も生み出しています。「あの人はうまくいってばかりだな」と、見かけにダマされないことです。