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2022.05.24

エアビーが中国から撤退へ、「ゼロコロナ」と競争激化で

Getty Images

エアビーアンドビーは、パンデミック関連の規制と競争の激化を受けて、中国国内での事業を終了する見通しだ。CNBCが5月23日、匿名の情報筋の話として伝えたところによると、同社は中国国内の物件の掲載を今夏までに終了するが、数百人の従業員を抱える北京オフィスは維持するという。

中国の物件がエアビーアンドビーの売上に占める割合はわずか1%程度だが、同社は今後も中国からのアウトバウンド旅行者向けの宿泊予約に注力する計画という。

世界各地でロックダウンが解除され、ウイルスの懸念が薄れる中でホスピタリティ業界は立ち直り始めているものの、政府の「ゼロコロナ政策」によるロックダウンが長引く中国では、エアビーアンドビーの事業の回復が遅れているとCNBCは述べている。

フォーブスはエアビーアンドビーにコメントを求めている。

ホスピタリティ業界の多くの企業と同様に、パンデミックの最初の1年間にエアビーアンドビーは苦境に陥った。しかし、掲載物件が減少する中で、ゲストは以前よりもはるかに長く滞在するようになったと、ニューヨーク・タイムズ(NYT)は昨年報じていた。この傾向はその後も続き、2022年第1四半期のエアビーアンドビーの長期滞在者数は過去最高を記録し、2019年第1四半期から2倍以上に増加したと同社は述べている。さらに、世界の予約件数はすでにパンデミック前の水準に戻ったという。

エアビーアンドビーのプラットフォームに参加する物件のオーナーたちは、パンデミックの間に売上を失ったものの、それと同時に、物件の価値は上昇した。米国国勢調査局によると、住宅販売価格の中央値は過去2年間で37%も跳ね上がり、42万8700ドルとなっている。

編集=上田裕資

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