ビジネス

2022.05.25

現代自動車、処方薬デリバリーでヘルスケア業界に参入

(Photo by Tim Boyle/Getty Images)


とはいえ、今回の提携から最大の恩恵を得るのは、サービスを利用するコミュニティだろう。このようなパートナーシップやコンセプトが重要であるのはなぜだろうか?米国では、薬局を訪れたり、処方薬を適切なタイミングで入手したりすることが難しい人々が数百万人にのぼるからだ。
 
交通とアクセスの問題に加えて、命に関わる医薬品を必要とする数百万人の高齢患者に交通手段がないことや、彼らが薬局に足を運べないことは、ヘルスケアの成果の改善を阻む最大級のハードルとなっている。
 
だからこそ、多数の企業が、この分野での創造的破壊を狙っているのだ。例えばアマゾンは最近、処方薬のデリバリーサービスを開始し、「医薬品の低価格、無料配送、24時間いつでも薬剤師による電話対応」をうたっている。
 
薬局チェーンのウォルグリーンズも同様のサービスを提供しており、処方薬の当日配送を保証している。この分野には多数のスタートアップがひしめき合っており、全米のコミュニティに向けたサービスの適正化を目指している。
 
こうしたサービス体制が確立されれば、すべての関係者が大きな利益を得ることは間違いない。既存の企業は新たなビジネスチャンスを獲得し、スタートアップはパートナーシップを拡大する。また、全米のコミュニティの患者たちは、極めて迅速で大きな価値をもつサービスを利用できるようになる。医薬品デリバリーという新たなコンセプトによって、ヘルスケア業界にポジティブな価値が追加されるはずだ。

翻訳=的場知之/ガリレオ

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