>> プレゼンの神様、澤円「ITエンジニア視点のクルマ観」を語る
夫婦とクルマの関係性
米永:まずは簡単な自己紹介をお願いします。
澤円(以下、円):はい。澤円と申しまして、圓窓という会社の代表取締役を務めています。2年前まで日本マイクロソフトで業務執行役員を務めていたのですが、2020年8月に独立をして、現在は企業の顧問やマネージャー育成、ITコンサルタント、講演活動、執筆活動などをおこなっています。
澤奈緒(以下、奈緒):澤奈緒と言います。私は「心の解放」をテーマに創作活動やワークショップなどをおこなう、造形作家です。
米永:今回のインタビューは、先ほど円さんにご出演いただいた連載「社長とクルマ」から派生して、特別編「夫婦とクルマ」として、おふたりの愛車やカーライフについて深掘りできればと思います。おふたりとも、車はもともとお好きだったんですか?
円:結婚当初、この人は「運転絶対しない」って言ってたんですよ。
奈緒:そう。
円:僕がトヨタ ハリアー ハイブリッドを所有していたときに結婚したんですけど、ハリアーは大きすぎる、と。免許は持っていたんですけどね。そこでハリアーを手放すタイミングで「軽自動車に乗り換えて運転してみたら?」と言ってみたんですけど、それも嫌がって(笑)。
米永:そうなんですね。奈緒さんはなぜ嫌だったんですか?
奈緒:軽ってカッコ悪いイメージがあったんです。乗るなら大きな車を、と思っていたのですが、あるとき道を歩いていたらダイハツ キャスト スタイルを発見して「こんなにかわいい車があるなんて」「これが欲しい!」と、1本釣りで。
ダイハツ キャスト スタイルは、2015年に登場した軽自動車。洗練されたエクステリアデザインと、細部まで作り込まれた質の高い内装が特徴だ。
リアも含め、外装は全体的に丸みを帯びたフォルムで統一されている。
奈緒:あまりキャスト スタイルが好きすぎてしまって、納車が待ちきれずに、近所にあるダイハツ キャストを毎日眺めに行ってました(笑)。
円:他人の家のをわざわざね。通報されても文句言えない(笑)。
米永:奈緒さんにとってはキャスト スタイルが初めての愛車だそうですが、車のある生活はいかがですか?
奈緒:もう最高です。車を運転するようになってから、いままで行ってきた所はごく一部だけだったのだと、びっくりしています。世界がこんなに変わるんだ、と。例えば好きな美術館へ行くにも、公共交通機関を使うと2時間ぐらいかかっていたのですが、車なら1時間あれば行けてしまう。自由を手に入れるとはまさにこういう感じなんだなと実感しています。
米永:創作活動に影響する部分はありましたか?
奈緒:私の作品には「アート仮装KESHIN」というものがあって、例えば鳥の仮装、羽根を背負って、鳥の頭の形をした被り物を人に体験して被ってもらうような作品があるんですけど、それが非常に大きくて。電車だとひと苦労だった持ち運びも、車を所有してからはグッと楽になりました。
奈緒:そういえば、ここ(千葉県山武市)に引っ越してきた当初、山武市が全国魅力度ランキング最下位*1だったことがありまして。
*1 ブランド総合研究所が2020年10月に発表した市町村別の「魅力度ランキング」で、山武市は全国最下位タイの997位にランクインした。
そこで、尊敬しているみうらじゅんさんがやっている「勝手に観光協会」*2にあやかって、ふたりで“勝手に観光大使”として山武市の魅力を発信したんですね。するとすぐに山武市長さんの耳に届いて市役所にご招待いただいて、実際に私の作品を着ていただくことができたんです。そのときも、キャストがあったからこそ作品を全部持って行くことができました。
*2 みうらじゅんと安齋肇により結成された、日本各地を盛り上げるべく活動するユニット。
円:(画像を見せながら)これが市長さん。前代未聞ですよね(笑)。
実際に山武市役所に訪れた際の写真。松下浩明市長(左から2番目)、山武市マスコットキャラクター・SUNムシくん(右から2番目)とともに、澤奈緒氏の作品を身にまとっている。(画像:本人提供)