経済・社会

2022.05.24 06:00

米共和党支持者の27%、ウクライナ支援は「過剰」 前回調査から倍増

ウクライナのゼレンスキー大統領と対面するアメリカ国防長官ロイド・オースティン(左)とアメリカ国務長官アントニー・ブリンケン(右)(Photo by Ukrainian Presidential Press Office via Getty Images)

米共和党支持者の間で、米国はウクライナに肩入れしすぎだと考える人が増えている。モーニング・コンサルトの最新世論調査によると、ロシアの侵攻を食い止めるために米国がウクライナに行っている支援について、「過剰」だとした共和党員の有権者の割合は27%と、3月上旬の13%からほぼ倍増した。米国では21日、ウクライナ支援に約400億ドル(約5兆1000億円)を充てる追加予算が成立している。
 
調査は共和党員657人を含む米国の有権者約2000人を対象に今月14~16日に実施され、19日に結果が公表された。共和党支持者でウクライナ支援が「不十分」だとした人は全体の25%と、前回の36%から低下した。支援規模は「適正」という回答は34%で3月の32%からほぼ横ばいだった。
 
米議会上院は19日、ウクライナに対する兵器供与や人道支援などを強化するため、2022会計年度(21年10月~22年9月)に総額約400億ドル(約5兆1000億円)の追加予算措置を講じる法案を超党派の賛成で可決。ジョー・バイデン米大統領が21日に署名し、法律が成立した。
 
民主党支持者の間では、米国のウクライナ支援に対する見方は戦争開始直後から変わっていない。前回に続き、今回も「十分」という回答と「不十分」という回答が合わせて7割を超え、「過剰」という回答は15%にとどまっている。
 
有権者全体では、米国のウクライナ支援は「十分」と答えた人が39%、「過剰」とした人が20%、「不十分」とした人が25%という結果になっている。
 
米国防総省によると、2月にロシアがウクライナに侵攻して以来、米国はウクライナに約38億ドル(約4900億円)の軍事支援を実施。これまでに携行型の地対空ミサイル「スティンガー」、同じく携行型の対戦車ミサイル「ジャベリン」、榴弾砲、軍用ヘリや車両、自爆攻撃ドローンなどをウクライナに供与している。
 
ピュー・リサーチ・センターが今月公表した世論調査でも、ロシアのウクライナ侵攻に対するバイデン政権の評価は民主党と共和党で割れている。ただ、共和党支持者の場合、「評価しない」という回答の割合は55%と、前回の67%からかなり下がった。一方、民主党支持者では対応を「評価する」という回答の割合が63%と、前回調査の69%から低下傾向にある。

編集=江戸伸禎

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