今回の調達により、スペースXの評価額は1270億ドル(約16兆円)に上昇する可能性があるとCNBCは同社の社内メールを引用して伝えた。同社は別途、最大7億5000万ドル相当の株式を投資家と関係者に売却しようとしているという。
ニューヨーク・ポストは18日に、スペースXが追加の資金を求めているというニュースを最初に報じたが、匿名の関係者の証言として「投資家の反応は非常に悪い」と伝えていた。
ロイターは19日に、匿名の関係者の話として、スペースXがセカンダリーマーケットでの株式の売却によって、評価額を1250億ドルに上昇させ、米国のスタートアップの中で最も価値が高い企業になる可能性があると報じていた。
スペースXは、フォーブスからのコメント要請にまだ応じていない。
ニュースサイトInsiderは19日、スペースXがイーロン・マスクCEOのセクハラ問題を隠蔽するために、同社の元社員の客室乗務員に25万ドルの和解金を支払ったと報じた。マスクはこの報道を否定し、Insiderに情報提供を行った人物を「うそつき」と呼んだ。
2002年にマスクによって設立されたスペースXは、ロケットの製造と打ち上げの両方を行い、宇宙開発分野をリードしてきた。国防総省やNASAから複数の契約を獲得した同社は近年、火星都市の建設を目指す宇宙船スターシップのプロジェクトや、衛星インターネットの「スターリンク」のために数十億を調達している。
スペースXは昨年9月、ビリオネアのジャレッド・アイザックマンら3人が搭乗したロケットで、史上初の民間人のみの地球周回飛行を成功させた。また、今年4月には、NASAが初めて民間企業と共同で実施した宇宙観光ミッションで、民間人4人を国際宇宙ステーション(ISS)に送り、17日間の滞在を実現させていた。