「私は価値あるアウトプットを持つものに投資するのが好きだ。企業の価値は、いかに優れた製品を作るかに基づいている。しかし、暗号通貨の価値は、他の誰かが決めるだけなので、他の投資のように社会に貢献するものにはならない」とゲイツは語った。
ゲイツは以前から、ビットコインに懐疑的な見方を示していた。2月のブルームバーグのインタビューで彼は、ビットコインの熱狂に吸い寄せられる一般人への懸念を表明していたが、その懸念は的を得ていたと言える。先週はステーブルコインのテラUSD(TerraUSD)が暴落したことで、他のデジタル通貨も大きく値下がりし、ビットコインは月初から27%下落し、イーサリアムも同期間に36%下落した。
「イーロンよりも少ない資金しか持っていないのなら、気をつけたほうがいい」と彼は2月に述べていた。
ゲイツは今回のAMAで幅広い話題に触れた。彼は、以前から囁かれる陰謀論の「ビル・ゲイツがワクチンで人々の体にマイクロチップを埋め込んで、追跡しようとしている」という話を再び否定した。
「なぜ私が人々の居場所を知りたいのか? その情報を使って何をするんだ?」と彼は述べた。また、億万長者はもっと税金を払うべきか? というトピックで、以前から「もっと税金を払いたい」と発言しているゲイツは、「税率が高すぎると税逃れが増えることになる」と警告した。
「限界税率を60%以上にすると、より多くの複雑な回避につながることが多いが、キャピタルゲイン(資産価値の上昇による利益)の税率が通常の所得税率より低いのはおかしい。相続税率は60%を多少超えても良さそうだが、そのような仕組みをとる国は驚くほど少ない」とゲイツは述べた。
レディットで行われた今回のセッションで、掲示板に集う人々に人気のGameStopなどのミーム株にについての質問が出たのは、自然なことと言える。「私はGameStopをロングもショートもしたことがない」とゲイツは語った。
ゲイツは、テスラ株を空売りしたことでイーロン・マスクを激怒させたと報じられたが、空売りについての質問には答えなかった。
ゲイツは今月初めのBBCのインタビューで、彼のテスラ株の空売りは「気候変動の問題とは関係ない」と述べ、特定のEV(電気自動車)メーカーへの投資と、気候変動を改善するEVの全体への投資は別のことだと強調した。