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2022.05.23 12:00

テスラを追撃の現代自動車、米「EV専用工場」に7000億円投資

アラバマ州の現代自動車工場(James R. Martin / Shutterstock.com)

韓国の現代自動車(ヒョンデ)グループは5月21日、米ジョージア州に建設する電気自動車(EV)とバッテリーの専用工場に55億4000万ドル(約7000億円)を投資すると発表した。同社は、テスラから世界トップのEVメーカーの地位を奪おうとするGMやフォード、フォルクスワーゲンなどの世界の自動車大手の仲間入りを果たした。

現代自動車は、ジョージア州ブライアン郡の港湾都市サバナに近い1183万平方メートルの敷地に工場を建設し、2025年前半に生産を開始する計画だ。この工場は年間30万台の生産能力を持ち、フル稼働時には8000人以上の従業員を雇用するという。この施設は、現代自動車にとって北米で初のEV専用工場となる。

現代自動車は、2026年までに販売台数ベースで米国のEVメーカーのトップ3に入り、2030年までにバッテリー駆動車の販売台数を年間320万台に引き上げることを目標に掲げている。テスラは2021年に約100万台のバッテリー電気自動車を販売し、昨年米国で販売されたEVの約75%を占めていた。

この分野の新興企業のリビアンも昨年末、ジョージア州アトランタの東にあるモーガン郡とウォルトン郡に50億ドルの新工場を建設すると発表していた。

現代自動車の新工場のニュースは、EVを推進するバイデン大統領が、韓国への初の公式訪問を開始した日に発表された。現代自動車は先週、世界のEV事業の拡大に向けて、10年間で165億ドルを支出すると発表した。

現代自動車の張在勲(チャン・ジェフン)CEOとホセ・ムニョスCOOは、20日にジョージア州のブライアン・ケンプ知事とともに調印式に出席した。同社はすでにアラバマ州で米国向け車両を製造しており、ジョージア州でのバッテリー生産については後日詳細を発表するとしている。そこで生産されるバッテリーパックは、現代グループ傘下の起亜自動車がジョージア州ウエストポイントで生産するEVにも供給される可能性がある。

編集=上田裕資

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