新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックのさなか、暗号通貨とNFTが急成長を遂げるなか、ソラーレは、欧州の著名なサッカークラブと次々と契約を結んだことで、投資家の注目を集めることになった。ソラーレは2021年2月、シリーズAラウンドで5000万ドルを調達。さらに同年9月にはシリーズBラウンドで6億8000万ドルを手にし、この時の企業評価額は43億ドルに達した。
シリーズBラウンドの調達額は、欧州での史上最高記録を更新した。ブロックチェーン関連のスタートアップ全体で見ても、非上場企業の資金調達としては2位にランクされる額だ(暗号通貨取引所のFTXに次ぐ)。
このシリーズBは、日本のコングロマリット、ソフトバンクが主導した。その他の投資家としては、ベンチマーク、D1キャピタル、ベッセマー・ベンチャーズのほか、レディットの共同創業者であるアレクシス・オハニアン率いるセブン・セブン・シックスなどのベンチャーキャピタルが名を連ねた。
オハニアンはシリーズA、Bの両ラウンドに資金を拠出しており、サッカーだけにとどまらず米国のメジャースポーツリーグに進出するというソラーレのビジョンに魅力を感じたようだ。オハニアンの妻で、テニス界のスター選手であるセリーナ・ウィリアムズも、2022年に入ってソラーレの取締役会顧問に就任している。
ジュリアによると、ソラーレの2021年取引高は3億2500万ドルだったが、2022年には少なくとも7億ドルに達する見込みだという。同社によれば、登録ユーザーは、185の国と地域の合計で180万人以上に達し、そのうち2割近くは米国在住だという。
ソラーレの従業員は現在約70人で、パリと米国の拠点に分かれて業務を行っている。同社では2022年末までに、合計230人まで規模を拡大したいと考えている。また、今後数カ月のうちに、他の米国のプロスポーツリーグとも契約を結ぶ可能性が高いという。