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2022.05.24 10:00

「上下ではなく横並びの関係を」富士通のアフターコロナの働き方


ちなみに、aerukamoは岡安が同期社員と自主的に企画し、常務に提案した結果生まれた。いまではデザイン部門や位置情報システム部門など40人以上が開発に協力している。22年3月時点でアプリの登録社員数は1200人超。社員からのフィードバックを基に改良を繰り返している。

「とにかく、やってみようと背中を押す。若手の挑戦に対する許容度は、ここ数年で大きく変わりました」(赤松)

出会いたい。最新テクノロジーに触れたい。自分たちの製品を試したい。共創したい。そんな社員の主体性や向上心を企業がサポートする。上下関係ではなく、社員と横並びの関係をつくる。川崎タワーは、企業変革の姿勢の表れでもある。

オフィス空間で人とつながり、テクノロジーとつながる。今後、力を入れるのが社外の人や地域とのつながりの構築だ。Work Life Shiftの一連の取り組みで得た経験値をデータ化し、ほかの企業や地域社会の課題解決に生かすことを目指す。「DX企業を標榜している富士通として、アフターコロナの新たな働き方を示しながら、自社の経験を社会課題の解決に生かすことは使命のひとつです」(赤松)

赤松光哉◎2001年に富士通に入社し、立地戦略やワークプレイスの構築、工場再開発など企業不動産業務に従事。同社が21年に新設したオフィス「Fujitsu Uvance Kawasaki Tower」のワークプレイス構築も手がけた。21年4月に総務本部ワークスタイル戦略室長に就任。

岡安明香◎2018年に富士通入社。IT戦略本部でグループ企業へのUX改善ツール導入推進やAIを用いた業務内容可視化サービスの全社導入支援などに従事。22年からは富士通イノベーションサーキットセンターで社内新規事業に携わるほか、「aerukamo」開発リーダーも務める。

文=瀬戸久美子 写真=小田駿一

この記事は 「Forbes JAPAN No.094 2022年月6号(2022/4/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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