本紹介のTikToker「けんご」が小説家に。SNSのコメントからストーリーを着想


誰かの「読みたい」を叶える小説家に


『ワカレ花』が「中高生にとって初めて読む小説になってほしい」と語るけんご。とことん読みやすさにこだわり、表現をやわらかくしたり、改行を多用することで文字の圧迫感を減らしたりするなど工夫を施した。

「僕の根底にあるのは『小説の魅力をより多くの人に伝えたい』という思い。小説を書いたのもその一環です。自分で実際に書いてみたことで、小説家さんへのリスペクトや小説に対する思いも増しました」



また本書では、中高生に人気のバンド「あたらよ」とのコラボも実施。作中に「あたらよ」に関する記述が登場するほか、TikTokで「あたらよ」のオリジナル楽曲を使用したコラボ投稿も行った。小説と音楽のメディアミックスによって、読書に馴染みがない新しい層へのリーチも期待している。

TikTokerとなり、小説家となったけんごは、現在、社会人2年目にあたる年。ウェブCMなどの映像制作を手掛ける企業にも勤めており、今後も三足のわらじを履いて活動を続けていくという。

「TikTokでの小説紹介は、今まで以上に一生懸命頑張っていきたいと考えています。その中で、『ワカレ花』を読んでくださった方が、次はどんな物語を読みたいのかも考えていきたい。僕を応援してくださる方に“読みたい”と思っていただける物語を、小説家として書いていけたら幸せですね」

文=堤美佳子 取材・編集=田中友梨 撮影=杉能信介

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