「動物を見世物にしない」、米名門サーカス団の決断

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2017年に廃業を宣言した米国の名門サーカス団「リングリング・ブラザーズ(Ringling Brothers and Barnum & Bailey Circus)」が、動物をパフォーマンスに用いずにツアーを再開させるとアナウンスした。

150年近い歴史を誇るリングリングは、2023年秋に50都市を巡るツアーを行う予定という。

ニューヨーク・タイムズ(NYT)の5月18日の記事によると、リニューアルされたショーは、動物の演技ではなく、人間の技に焦点を当てるものになる。米国を代表するサーカス団であるリングリングは、全長数マイルにも及ぶ専用列車でキャストや機材を運ぶことで知られたが、この列車はすでに売却されたという。

リングリングは来年、TikTokアカウントを開設予定で、NFTのリリースも視野に入れている。

「動物を使わずにサーカスを復活させるという彼らの決断は、どんな動物も搾取される必要はないという、非常に明確なメッセージを業界に発信している」と、動物保護団体People for the Ethical Treatment of Animals Foundationの幹部のレイチェル・マシューズはNYTの取材に述べた。

リングリングは長年、ライオンやトラ、ゾウたちをパフォーマンスに用いていたことで、動物保護団体などから批判を浴びていた。いくつかの州がゾウの公演での使用を禁止した結果、彼らは2016年にゾウの使用を止めていた。

その後、チケット販売数の減少や、鉄道費用の高騰などの課題に直面したリングリングは、2017年に幕を下ろすことを宣言した。サーカスを所有するフェルド・エンターテインメントの会長でCEOのケネス・フェルドはその当時、「この10年間で、その前の50年や75年よりも、世の中に大きな変化が訪れた。我々は今では、人々の需要に応えられなくなった」と述べていた。

リングリングが動物を使わずに復活するというニュースは、昨年10月にも一部のメデイアで報じられていた。

リングリングの誕生の物語は、2017年のミュージカル映画「グレイテスト・ショーマン」でも描かれた。この映画は、サーカス団を設立した興行師のP・T・バーナムをヒュー・ジャックマンが演じていた。

編集=上田裕資

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