ロックダウン解除で米交通事故死者数が急増、05年以降で最悪

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米国政府が5月17日に発表したデータによると、2021年の交通事故による死者数は4万2900人を超え、2005年以降で最も多く、前年から10%急増していた。米国の交通事故死者数は数十年にわたり減少したが、近年は増加を続けている。

米運輸省安全局(NHTSA)の初期の推計によると、2021年の交通事故死者数は44州に加え、コロンビア特別区とプエルトリコで増加した。

10%の増加は、同局が1975年にデータ収集を開始して以来、年間の増加幅としては最大とされる。

2021年の複数の車両の衝突事故や、都市部の道路での交通事故の死者数、歩行者の死者数、65歳以上のドライバーの死者数はいずれも12%以上増加していた。

ピート・ブティジェッジ運輸長官は声明で、「アメリカ人は国内の道路で危機に直面している」と述べ、NHTSAのスティーブン・クリフ副長官は「迅速な対応が必要だ」と述べた。

交通事故死者数の伸び率がトップのプエルトリコでは、2020年から2021年にかけて39%の増加となり、それに続くアイダホ州は33%の増加だった。

運輸省によると、2011年から2020年の間に交通事故で亡くなった人の数は37万人を超えている。

NHTSAによると、交通事故死者数は数十年にわたる減少傾向の後、スピード違反などの無謀な運転の急増によって2019年に増加し始めた。また、2021年のアメリカ人の運転距離はパンデミックによるロックダウンの解除を受けて、前年から11.2%増となっていた。

運輸省によると、交通事故は10代の若者の主要な死因の一つであり、特に黒人やネイティブアメリカン、過疎地域に住む人々に不釣り合いに影響を及ぼしているという。

編集=上田 裕資

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