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2022.05.18

「危機こそ好機」のバフェット流健在 バークシャー、1〜3月に6.6兆円投資

ウォーレン・バフェット(Getty Images)

著名投資家のウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイは今年1〜3月期、株式の購入に計510億ドル(約6兆6000億円)あまりを投じた。銀行のシティグループなどの株式を新たに取得したほか、石油のシェブロンなどの株式を買い増した。「オマハの賢人」は株安を好機とみて攻めの投資姿勢に転じている。

米証券取引委員会(SEC)への16日の届け出によると、バークシャーは同期にシティ株5500万株(約26億ドル)のほか、メディアのパラマウント・グローバルの株式6900万株(約190億ドル相当)、金融のアライ・ファイナンシャルの株式3億9000万ドル相当など、8社の株式を新規取得した。パラマウント株の保有率は10%超にのぼっている。

バフェットによる取得が伝わると17日の米株式市場で3社の株価は急伸し、パラマウント株は前日比14%高、シティは7%高、アライは約5%高となった。

バークシャーは1〜3月期に、シェブロンのほか同業のオキシデンタル・ペトロリアム、パソコンのHP、ゲームのアクティビジョン・ブリザードなどの株式を大量に追加取得した。現在の保有株式数はシェブロンが約1億5900万株(約270億ドル相当)、オキシデンタルが1億4300万株(約100億ドル相当)、HPが1億2100万株(40億ドル超相当)、アクティビジョンが6400万株(50億ドル相当)となっている。

これらの株式取得の大半は3月上旬に行われた。1〜3月期の投資総額は近年のバークシャーでは最大規模。バークシャーは一方で、1989年から投資していた銀行のウェルズ・ファーゴの株式を同期にすべて売却したほか、通信のベライゾン・コミュニケーションズの株式もほぼすべて手放した。

91歳のバフェットはフォーブスの推定で1133億ドル(約14兆6100億円)の資産を保有し、世界5位の富豪。17日は昼までにバークシャーの株価が1%上昇したことで、バフェットの純資産額も15億ドル(約1900億円)膨らんだ。

編集=江戸伸禎

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