「The Lost Wax(失われたろう)」と呼ばれてきたこの作品は、イエス・キリストの十字架へのはりつけを描いたダリの浅浮き彫り作品群「十字架の聖ヨハネのキリスト」のモデルとして使われた。
ハワイ・マウイ島の美術館ハート・インターナショナル・ギャラリーズの共同オーナー、グレン・ハートがフォーブスに語ったところによると、同作はこれまで、匿名の個人収集家が所有。ダリと1978年にパリで面会した際に直接この作品を購入し、その後40年以上保管していた。
同館は、この収集家から別の作品を買い取ろうとした際にろう彫刻の存在を知り、購入して展示を始めた。買収額は公表されていない。
ハートは、浅浮き彫り作品は推定900点存在する一方で、このろう彫刻はダリが自ら作成したオリジナル作品だと説明。「作品のどこかにダリの口ひげの毛がくっついているだろう」と冗談を飛ばした。
作品を売却する予定は今のところないが、将来的にはフロリダ州のサルバドール・ダリ美術館やルーブル・アブダビなど、こうした作品のファンが集まる場所に展示されることを期待している。