「私たちは、人々の行動を変えるためにインセンティブを与えようと思った。このアプリは、Web3テクノロジーの利点をスポーツ愛好家たちと共有するためのツールだ」と、STEPNの共同創業者のYawn Rongは述べている。
新規のユーザーはまず、STEPNのアプリをダウンロードして、スニーカーのNFTを購入することになる。その後は、ウォーキングやランニングをするたびに、アプリ内のGPSがユーザーの移動距離を測定して、暗号通貨のトークンを付与していく。
Rongによると、STEPN のユーザーは10分間の活動で約25ドルを稼ぐこが可能で、1日に4500ドルを稼ぐユーザーも珍しくはないという。ただし、ゲームに必要なスニーカーの価格は、Solanaと呼ばれるブロックチェーンベースの暗号通貨「SOL」の値動きに応じて変動し、現状で1000ドル以上の投資が必要になっている。
ユーザー数のさらなる拡大を目指すSTEPNは、今後の数カ月で、スニーカーのレンタル機能を導入し、新規のユーザーが別の人からスニーカーを借りてゲームに参加する仕組みを整えようとしている。昨年12月に始動したこのゲームは日本やアメリカ、フランス、英国などを中心に人気を博し、初期投資のハードルの高さにもかかわらず、月間230万人のアクティブユーザーを獲得している。
運営元は、NFTの取引手数料として6%を徴収しており、昨年の第4四半期の利益は2600万ドル(約34億円)に達していた。一部のアナリストは同社の評価額を10億ドル以上と試算している。
しかし、Rongと共同創業者のJerry Huangは、この成功に満足しておらず、STEPNのソーシャル機能を拡充することや、暗号通貨の利用経験を持たない人向けの機能を追加して、彼らをWeb3スペースに引き込むことを計画中だ。
STEPNの人気には、伝統的なスポーツ関連企業も注目している。大手スポーツメーカーのASICS(アシックス)は4月に、STEPNとのコラボを発表し、アプリ上で限定バージョンのスニーカーをリリースした。ASICSのビジネス開発責任者のジョー・ペースは声明で、「STEPNとの長期的なコラボを通じ、世界中の何百万人もの人々を健康にできると信じている」と語った。