テーマは「日本がグローバルで勝つためのカンファレンス」。グローバルのビジネス、教育、社会課題、先端テクノロジー分野のキーマン140人のパネリストが集い、40のセッションを通して議論を展開した。7日間で、参加者は計1600人にのぼった。
ここでは、日本のスタートアップ企業がグローバルで戦っていくうえでの課題や展望について議論した3つのセッションを取り上げ、そのポイントを紹介する。
グローバルビジネスで求められる姿勢
「日本のスタートアップがグローバルで戦うには」と題したセッションでは、日本市場が成熟し縮小するなか、グローバルに出て行こうとする企業に向け、パネリストが実際の経験から成功のヒントを話した。
海外でビジネスを始めるときに必要な心構えについて、アジアで歯科領域に特化した事業を展開するメディカルネットの平川大氏は、こう語った。
「本当にグローバルで活躍している人材と対等に渡り合うには、真の人間力やスキルセットが必要で、判断力や経営決断力、その後の行動が問われます。
逆に言えば、そこをクリアするとビジネスパーソンとして信頼され、ビジネスの話が舞い込むようになるでしょう」
シンガポールをメインに、トラベルテック事業をアジアに展開するベンチャーリパブリックグループの柴田啓氏は、「人のネットワークを築くことが大切。海外で気後れしてしまう日本人も多いが、国際的なカンファレンスにどんどん赴き、顔を売ると同時につながりを増やしていくことで、何かあったときに声を掛けてくれる人をどれだけ増やせるかがカギになります」と、コミュニケーション時の姿勢について言及した。
一方、三菱商事が貿易のDXを推進するために立ち上げた、トレードワルツの染谷悟氏は、「心構えと言うと、目の前に越えなければいけないハードルがあるように感じてしまうが、そうは考えずに、自然体でいることが大事ではないでしょうか。
私たちは、貿易相手国の政府や貿易実務者と話す機会もあるが、誰が相手でも真摯に課題に向き合い、自然体でそれを解決するための議論をしています」と述べた。
存在感ない日本のスタートアップエコシステム、どう変える
「世界に遅れを取るスタートアップエコシステム、日本はどうやって追いつくのか」と題したセッションでは、日本の課題について議論された。