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2022.05.19

億万長者45人に徹底取材、「富豪エリート」の蓄財手段

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世界の大富豪はどうやって財をなしたのだろうか? 株式や不動産への投資、遺産相続だろうか。それとも起業家としてだろうか。金融新聞を読んでいると、財をなす一番の手段は株への投資であるように思えるかもしれない。しかし、世界長者番付を見れば、世界屈指の大富豪のなかに、株式投資によって富を築いた人はほとんどいないのがわかる。

──資産家の大半は、以下のとおり、起業家として財をなしている。

1. イーロン・マスク:起業家。テスラ共同創業者
2. ジェフ・ベゾス:起業家。アマゾン共同創業者
3. ビル・ゲイツ:起業家。マイクロソフト共同創業者
4. ベルナール・アルノー:起業家。LVMH会長
5. マーク・ザッカーバーグ:起業家。メタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)共同創業者
6. ウォーレン・バフェット:投資家
7. ラリー・エリソン:起業家。オラクル共同創業者
8. スティーブ・バルマー:起業家。マイクロソフト元最高経営責任者
9. ラリー・ペイジ:起業家。グーグル共同創業者
10. セルゲイ・ブリン:起業家。グーグル共同創業者
11. アマンシオ・オルテガ:起業家。ZARA共同創業者

独立独行の起業家が財をなす


上に挙げた世界屈指の大富豪10人のなかで、株式投資で富を得たのはウォーレン・バフェットだけだ。とはいえ、彼も典型的な株式投資家ではない。バフェットにとって、株式は諸企業に手堅く投資するための手段にすぎない。

上記リストを見れば、アルノー以外全員が資産家の跡継ぎではなく、自らの力で富を築いた起業家であるのがわかる。同様のことは、長者番付に名前をつらねるそれ以外の人々にもあてはまる。フォーブスが毎年発表するアメリカ長者番付「フォーブス400」の顔ぶれを見ても、そのほとんどが独立独行の起業家だ。世間では、今と比べて昔は起業して財をなすのが容易で、現在の大富豪たちは親の資産を相続した者がほとんどだと考えている人が多い。だが実際は、その逆である。

1984年のアメリカ長者番付「フォーブス400」では、独力で億万長者になった人は半分にも満たなかった。2018年には、それが67パーセントにまで増えた。この数字をはじき出すにあたって用いられた採点システムでは、各億万長者に1から10の点数をつけている。資産はすべて親から受け継いだもので、それを増やそうとしていない人には1点、ゼロからスタートし、明らかに不利な戦いに挑んで富を手にした人には10点が与えられる。6点から10点の人たちは、独立独行の富豪とされる。
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翻訳・編集=高橋知子/S.K.Y.パブリッシング/石井節子

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