その結果、同社の売上高はパンデミックの間に70%近く増加。4700億ドル(約61兆円)に達し、時価総額は1兆ドルを超えた。そして、先ごろフォーブスが発表した売上高と利益、資産、時価総額に基づく世界の公開会社のランキング、「グローバル2000」では、前年から4ランクアップの6位となった。小売企業のなかでは、2位の米最大手ウォルマートに大差をつけての首位となっている。
ただ、そのアマゾンも現在、従来の形に戻り始めた消費パターンと、コストの上昇などと戦っている。消費者が再び実店舗で買い物をするようになったことから、直近の四半期(2022年1~3月)にはオンラインでの売上高が前年比およそ3%減少。人件費のほかサプライチェーンに関連したコストの上昇を受け、四半期ベースで7年ぶりの損失を計上している。
ウォルマートは全体で23位
小売企業で2位の米ウォルマート(全体での順位は23位)も、パンデミックで売り上げを大幅に伸ばした1社だ。購入した食料品その他の必需品を店外の駐車場で受け取るカーブサイド・ピックアップや、近隣の店舗からの配達など、商品の受け取り方のオプションを増やしたこともあり、売上高は(パンデミック前の)2019年以降、およそ9%増加し、5730億ドルに達した。
また、ウォルマートの株価はパンデミックの間に28%上昇。時価総額は4300億ドルを超えた(この評価基準での同社の順位は、14位)。
小売企業で3位のアリババ(全体では33位)は、年間売上高は1090億ドルでウォルマートの5分の1の程度であるものの、中国国内では依然として、支配的な地位を維持している。ただ、アリババは規制当局からの監視の強化や、競合他社との競争の激化などに直面している。
実店舗が復調
パンデミックの初期に業績を上げた小売企業の多くは、その後は順位を落としている。
一方、消費者が再びパーティーやコンサ ートに出掛け、会議に出席するようになるなか、適切な服装のために買い物をするようになったことにより、業績が伸び始めた企業もある。例えば、米百貨店メーシーズはパンデミックの初期には苦戦したものの、今年のグローバル2000では975位となり、前年から494ランクアップした。
小売業トップ20
最新のグローバル2000に入った大手小売企業の上位20社は、以下のとおりとなっている(かっこ内は全2000社中の順位)。
#1 アマゾン(6位)/米国
#2 ウォルマート(23位)/米国
#3 アリババ(33位)/中国
#4 CVSヘルス(42位)/米国
#5 ホーム・デポ(76位)/米国
#6 コストコ(122位)/米国
#7 ターゲット(149位)/米国
#8 ウォルグリーン(156位)/米国
#9 ロウズ(161位)/米国
#10 インディテックス(300位)/スペイン