ガーマンによるとこの動きは、EUがすべての携帯電話メーカーにUSB-Cの採用を強制する法律の制定を進めていることを受けてのものだという。アップルは以前、欧州での動きに反発していたが、EUの域内市場・消費者保護委員会は4月の投票でUSB-Cの標準化法案を可決した。
アップルはすでにiPhone 15シリーズにUSB-Cを搭載するためのテストを進めているが、この法案がEUの本会議の承認を受けて施行されれば、現状のライトニングケーブルに対応するすべてのiPhoneは、レガシーなデバイスとみなされることになる。
これには前例がある。2011年にiPhone 5がライトニングポートを導入した後、アップルはiPad 4にもライトニングを導入したが、これによりDockケーブルに対応する前モデルのiPad 3の売上は激減し、中古市場での価格も大きく下落した。
したがって、アップルがiPhone 15シリーズにUSB-Cを導入した場合、iPhone 14シリーズを含む古い端末の価値は大きく損なわれてしまうだろう。
著名アナリストのミンチー・クオも以前、アップルがUSB-Cを採用すると予測していたが、その当時は多くの人が、アップルが将来のiPhoneを「ポートレス仕様」にして、充電方式をワイヤレス充電のMagSafeに一本化すると考えていた。しかし、ガーマンの今回のレポートにより、USB-Cの導入が有力視されるようになった。
現時点では、EUの本会議でこの法案が承認されなかった場合、アップルがUSB-Cの計画を破棄することになるのかどうかは不明だ。しかし、ガーマンはアップルがすでに 将来のUSB-C対応のiPhoneをライトニング端子にも対応させるためのアダプタの開発にも取り組んでいると述べている。
買い替えを検討中のiPhoneユーザーは、しばらくの間、購入を控えたほうがいいのかもしれない。