芭蕉は江戸を出てから5カ月かけて太平洋側を北上して東北・北陸を巡り、日本海側を南下して岐阜県の大垣まで旅をしました。途中、多くの美しい景色に出会った芭蕉は多くの名句を読み、「おくのほそ道」として後世に残すこととなります。
江戸時代の旅は今ほど気軽なものではありませんでした。関所を通過するために通行手形が必要でしたが、芭蕉は尿前の関では通行手形がなくて厳しく問いつめられたこともあったそうです。
庶民も神社仏閣廻りであれば関所の通行を許可されていました。特に伊勢神宮へのお参りは「お伊勢参り」という名で流行しました。
その際に欠かせなかったものといえば、道中記や細見記といった、今でいう旅行ガイドブックにあたるものです。現代の旅の原型は、すでに江戸時代には出来上がっていたといえるでしょう。
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