「一定の枠やルール、レールがあることは、効果・効率面からいえば、理にかなっています。しかし、そのモデルは大量生産大量消費時代のもの。それが終焉を迎えると自由度が増す方向に動き始めるのではないでしょうか」
そして青砥は次のように続ける。「脳からすると、自由度が増すのは大変になります。だから、これからは自由を嗜む生き方、自分を由縁とした生き方、そのうえでの他者とのかかわりが重要になってくるのではないでしょうか」
ただ、好奇心に耳を傾け行動する、自分を由縁とするドーパミンドリブンな生き方に日本人は慣れていない。すぐに意味や意義、目的を聞かれ、自身が思う「単に面白そうだから」「ただ、やってみたいから」という感情が押し殺されてきたからだ。
「脳は、『Use it or Lose it』の原則で成り立ちます。どんな脳の情報処理も、使われれば育まれるがそうでなければ失っていく。まずは日常のささいな自己の由縁である好奇心の発動を嗜んでみてみるのがいいかもしれません」
青砥がかかわるさまざまな企業においても、このドーパミン主導型の動きが各企業の先駆者的な一部で出てきているという。これが一部の人たちから多くの人へシフトしていった先に、自由で好奇心が主導する、新しいルネッサンス時代が待っている。