そもそもお金とは何か? 金融教育について家庭で教えたいこと

Ekapat Suwanmanee / EyeEm / Getty Images


お金についての基礎を学んだあと、子どもたちはお金をもらった時の選択肢について学んでいく。

大人は子どもにお金をあげるとき、無意識のうちに「無駄遣いしてはいけない」や「使わずに貯めなさい」といった発言をしてしまう。筆者も親になってみて、特に深い意味もなくなんとなく言ってしまっていることに気付いたが、これは子どもに悪影響である。

お金をあげた以上、そのお金は子どものものである。子どもが使いたいなら使えばいいし、必ずしも貯めることが最適解ではない。

まず、子どもたちにはお金をもらった時にどのような選択肢があるのかを教えてあげるべきだ。「貯める」ことはもちろん、「使う」「増やす(投資)」「寄付」といった選択肢があるし、お金を詐欺などから守るといった行動も時として選ばなければならない。

そして、いくつもの選択肢があると理解したら、今度はそのなかの1つの選択肢を選んだ場合、それは同時に他の選択肢を意図的に捨てたということについても理解させるべきだろう。

ここで、先ほどのお金の機能の話が活きてくる。3つ目の機能として紹介した「価値の尺度」という考え方だ。人によって価値観はさまざまであり、なるべく早く自分の価値観や、消費などのクセを見抜いておく必要がある。自分がお金に対してどのようなクセがあるかを知ることによって、お金とうまく付き合っていくことが出来るようになる。

子どもに教えたいお金の計画と管理


とはいえ、お金をもらうと子どもは目先の欲しいものやイベントに対してしか考えをめぐらすことができない。なので、もう少し長い期間におけるお金の計画と管理の方法を教えなくてはいけない。

例えば新年にお年玉をもらったときに、「いま欲しいもの」などの目先のものだけではなく、春になって新学期が始まるタイミングで新しい文房具を買うとか、夏休みにはプールで使う何かを買うなど、1年間のイベントを通じてどのようにお金を使っていきたいのかということを考えさせていく。

このような思考が大人になった時に、何歳で結婚して、何歳でマイホームを買うなど、いわゆるライフプランニングを考えることに繋がるのだ。
次ページ > お金の管理も金融教育

文=森永康平

ForbesBrandVoice

人気記事