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2022.05.15 12:00

ボルボ初の電気自動車「C40」は極めて理想に近いEVクロスオーバー


前席のヘッドルームやレグルームはたっぷりある。いっぽう、後部席はレッグルームは十分ながら、天井は180cm以上の身長だと頭がつく。また、C40は、XC40と同様のプラットフォームを採用しており、フロントからテールまで流れるトランスミッション・トンネルがあるので、残念ながら、リアはフラットフロアではない。

運転席の写真

パワートレーンはどうなっているのか。前後2基の電気モーターにより4WDを構成し、最高出力はなんと408psで最大トルクも660Nm。0-100km/h加速は、4.7秒とスポーツカー並みの速さ。これは正しい数字だ。自分で試してみても、4.6秒が出たのでメーカーの数字に十分に納得。とにかく、C40は速い!

リチウムイオン・バッテリー容量は78kWhで、1充電走行距離はWLTCモードで485kmとボルボは語るけど、リアルワールドでは、400kmぐらいだろうか。C40にはCHAdeMO規格対応の急速充電用ポートが配置されていて、150kWの急速充電を利用した場合、約40分で80%までの充電ができる。

充電口の写真

EVというと、爆発的な加速感やワンペダル運転などに慣れなければならない特徴があるけど、このC40は、最近多くのEVに見られるスタートボタンがないことにも慣れる必要がある。とはいえ、発進までの手順はとてもイージー。

まずは、鍵を持ったまま車両に近づくと、自動的に電気モーターが作動する。運転席に座り、ブレーキペダルを踏んで、シフトレバーをDまたはRに入れるだけですぐに動かせる状態に。ここからアクセルペダルを踏むと、クルマは動き出す。

C40の場合、ワンペダルドライブの設定があり、当然オフの場合は回生ブレーキは働かない。また、停止時にブレーキペダルから足を離すとゆっくりと動く“クリープ”で走行する。一方、ワンペダルドライブをオンにして、アクセルペダルから足を離すと強力な回生ブレーキが働き、完全に停止することもできる。

だから、ガソリン車から乗り換える人は、このワンペダル運転に慣れることをすすめる。正直にいうと、アクセルの踏み加減ひとつだけで、加速やブレーキング、そして、コースティング(流し運転)ができるワンペダルの運転に慣れるととても楽しいよ。

後ろから見たC40

500kgほどの重いバッテリーパックが床下に配置されているので、2160kgの車重は低重心になっている。そのおかげで、コーナーではロールやピッチングといった気になる動きがほとんど出ないし、高速道路ではスピードを上げてもフラットな挙動が保たれていた。しかし、サスペンションは重い車種を支えるために、やはり多少硬めになっているけど、概ね乗り心地は快適といえる。

今回、100台限定のサブスクは、頭金不要で月額11万円で最長36カ月利用できるというもの。台数が限られているのは残念だけど、チャンスがあればぜひ乗ってみて欲しい。C40のデザイン、走り、加速、乗り心地の良さから、極めて理想に近いコンパクトなEVクロスオーバーだから。

文=ピーター ライオン

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