サッカー解説者・中西哲生さんが語る朝ゴルフの魅力 「思考の整理に絶好の場」

サッカー解説者 中西哲生さん Age 52◎1969年、愛知県生まれ。サッカー選手引退後はスポーツ解説の枠にとどまらず、ラジオパーソナリティや広告など幅広く活躍。2010年より続けるパーソナルトレーナーでは、久保建英選手をはじめ、さまざまなジャンルのアスリートやアーティストをサポートする。

最初は付き合いで始めたゴルフもその歴は15年。

ほかのスポーツにつながることも多く、今では自己のパフォーマンスを高める最高のツールとなっているようだ。

「思考を整理し実行。その過程に楽しさを感じる」


中西哲生さんの一日はとにかく早い。この日も3時に起床。前日の就寝は午後9時過ぎという。こんな生活が日常茶飯事の完全なる朝型人間だ。

「生活のテーマが、パフォーマンスの最大化。朝型人間になろうと決めたわけではなく、自分にとっていいものを徐々に取り入れていった結果です」。

サッカー解説やスポーツ番組の出演など、スポーツジャーナリストのイメージが強い中西さんだが、その傍らでアスリートやミュージシャンたちのパーソナルコーチも務めている。

「人に教える以上、自分が経験して納得して、いいと思ったメソッドを伝えたいと思っています。そのためには、本人がきちんとパフォーマンスできないと説得力がないですからね」。

夜10時から深夜2時のリカバリーにいいといわれる時間に睡眠をとることをマストとして、起きたての脳がクリアな状態で、読書や原稿書きなどを行う。

これについても、起床から睡眠まで、脳を機能させるハードルの高いものから順に実施したほうが、より良いパフォーマンスが出せるという持論に基づいたものだ。

そんな中西さんにとって、朝から楽しむスポーツであるゴルフもまた、自身の能力を最大化させるための趣味といえるのだ。



「ゴルフで得た知見は、さまざまなスポーツに通じる部分があるんです」。

ラウンドを密着すると、さすが元アスリートだけあって腕前は確か。特に目を見張るのは、フォームの美しさや打球の正確性だけでなく、とにかく判断と実行がスピーディなこと。

「よく仕事をご一緒する宮里藍さんの影響です。ゴルフのプレーを大まかに分けると、クラブや球筋の選択といった“思考”と、そのとおりにスイングする“実行”のふたつがあります。

これらを、頭の中で一本の仮想の境界線をつくり、“思考ボックス”と“実行ボックス”に分けます。思考ボックスでしっかりと考え、自分の次に打つべきショットを選択、境界を超えて実行ボックスにひとたび入ったら、その思考を実践するだけ。

雑念のないテンポ感のあるスイングが、ミスのないショットを生み出します」。

ロジカルな説明が腑に落ちる。ショットモーションに入っても、あれこれと打ち方を悩んでしまった挙句、ミスショットしてしまうゴルファーにとっては参考になるだろう。

「とはいっても、結果と過程が結びつかないのもゴルフの面白いところ。狙いどおりにスイングできても、結果的にバンカーということもあるじゃないですか。スコアだけでなく、それすら楽しめたら勝ちですよね(笑)」。

そんなことからスコアはまったく気にしない。ゴルフ中にいちばん喜びを感じるのは、「自分のイメージどおりにボールが打てたとき」だそう。

「ボールに作用を与えるという点では、ゴルフもサッカーも似ています。物理学的に物事を考えると非常に似ているんですよね。

特にゴルフは、一打として同じ状況になることがないですから、それを毎回考えて実行するのが楽しいんです」。


日本上陸前から好んで着ていたというサタデーズ ニューヨークシティ。「シルエットが好みで、動きやすい。これでプレーできるのは最高ですね」と上機嫌。

一方、スポーツ界のファッショニスタとしても知られるだけあって、ゴルフファッションにもこだわりが。

「ウェアはスタイル重視。最近はサタデーズ ニューヨークシティのゴルフラインがお気に入りです。

私服でも愛用するブランドなんですが、プレーしたら動きやすくてよりいっそう好きになりました」。

ポジティブなマインドセットで、時間管理からゴルフのプレーまであらゆることを楽しみながら、朝ゴルフを嗜む。中西さんの朝から学べることは実に多い。

(この記事はOceansから転記しております。)

川田有二=写真 竹井 温(&'s management)=ヘアメイク 髙村将司=文 GDO茅ヶ崎ゴルフリンクス=撮影協力

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