アフリカ発のWeb3企業「Jambo」がパラダイムから3000万ドル調達

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ここ1年で東南アジアの発展途上国の人々の暮らしを変えたゲームが、「アクシー・インフィニティ」などの遊んで稼げる「プレイ・トゥ・アーン(P2E)」型のゲームだが、そのトレンドをアフリカに持ち込もうとしているスタートアップが、コンゴ民主共和国出身の兄妹が設立した「Jambo」だ。

同社の共同創業者の26歳のジェームズ・チャン(James Zhang)は姉のアリス(30)と共にWeb3をアフリカで広めるために、約半年前に会社を立ち上げた。「われわれは、Jamboを中国のWeChatのような、アフリカのスーパーアプリにすることを目指している」と語るチャンは、コンゴで育ち2017年にニューヨーク大学のコンピュータサイエンス学部を卒業した後に、暗号通貨ファンドを設立したという。

Jamboは先日、クリプト投資企業パラダイム(Paradigm)が主導したシリーズAラウンドで、3000万ドル(約39億円)を調達したことをフォーブスの取材に明らかにした。パラダイムにとって、初のアフリカ大陸への投資となる今回のラウンドには、ウィンクルボス兄妹のGemini Frontier Fund やParaFi Capital、Pantera Capital、Delphi Ventures、Kingsway Capitalなどの著名な投資家も参加した。

Jamboは今年2月に750万ドルのシード資金を、コインベースベンチャーズやアラメダリサーチ、タイガーグローバルなどから調達していた。

「ジャンボにとって、プレイ・トゥ・アーンは始まりに過ぎないと考えている」と、パラダイムの投資パートナーのケイシー・カルーソは述べている。カルーソは以前、アクシー・インフィニティの開発元のスカイ・メイビスへの投資を手がけていた。

スーパーアプリを目指すJamboは、アクシー・インフィニティを含む約12のP2E型ゲームをテスト中で、ユーザーが暗号通貨の送金やスワップなどを行えるウォレットの開発にも取り組んでいる。

同社は今回の調達資金をプロダクトの開発に充てると同時に、アフリカの各地の拠点の整備に投じようとしている。Jamboは既にナイジェリアやケニア、南アフリカを含む15カ国にオフィスを開設し、学生たちに10週間の講座を通じてWeb 3の知識を学ばせている。同社は今年の年末までに、さらに15都市にプレゼンスを拡大し、20万人を超えるコミュニティメンバーを獲得する計画だ。

「私たちは、アフリカ全土の数百万人の暮らしにプラスの影響を与えるというビジョンに共感するスタートアップを支援し、投資していく計画だ」と、チャンは語った。

編集=上田裕資

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