SDGsの発信も自分の務め。小芝風花が考える仕事への向き合い方

小芝風花(写真=秋倉康介)

すっかり世間に浸透したSDGsという言葉。しかし、どれほどの人がその言葉の意味や内容を、理解し実践できているのか……。

SDGs=持続可能な開発目標。それは決して、国や企業だけが目指すゴールではない。いま、この星に生きる私たち一人ひとりが、たとえ「ちいさく」ても、できることを「ちょっとずつ」実行することが求められている。

2021年末にスタートした「sdgs_media_japan」では、個人的で身近なSDGsを伝え、広めるために「いっしょに学ぼうSDGs!」と題し、発信力の高い俳優やタレントを、毎月一人ずつ紹介。日常生活のなか「自分たちの未来に共感」できるような、ちいさなSDGsアクションを伝えている。


「以前、鼻にストローが刺さった海亀の写真を見たときは……、私も自分のことのように胸が苦しくなりました」

それまで、コミカルな演技が注目を集める主演作について楽しそうに話していた彼女。だが、話題がSDGsに変わると、途端に彼女の顔から笑みが消えた。

小芝風花、25歳。大阪府出身の彼女は、小学校3年から5年間フィギュアスケートに打ち込んだのち、2011年に「ガールズオーディション2011」に応募。見事グランプリを受賞し芸能界に入る。15歳で俳優としてデビューを果たすと、初の主演映画『魔女の宅急便』(2014年)で、ブルーリボン賞新人賞を受賞するなど、注目を集めた。

そして今年、2020年放送の第1シーズンのヒットを受けて制作されたのが、現在放送中のドラマ『妖怪シェアハウス─帰ってきたん怪─』。さらに6月には、映画『妖怪シェアハウス─白馬の王子様じゃないん怪─』の公開も迫っている。彼女は妖怪たちの助けを借りながら成長する主人公・目黒澪を演じている。

「ドラマの第2シーズンの第1話にも、プラスチックごみを大量に摂取してしまって、身も心も蝕まれてしまった河童が出てくるんです。いま、多くのお店が紙製のストローを使うようになっていますよね。それはすごく良いことだと思います。私自身も、ゴミのポイ捨てなんて、絶対にしません。ちゃんと分別すること、この気遣いひとつで環境はすごく良くなるのにと思っています」

小芝風花

真剣な眼差しで質問者を真っ直ぐに見つめ返しながら、こう続けた。

「私はまだ、清掃活動のボランティアには参加できていません。でも、活動されている方を見ると『本当に素敵だな』と思いますし、ふだん、ポイっとゴミを捨てちゃうような人も、そんな活動を目の当たりにしたら『ヤバい!』って気持ちにもなるはず。多くの人の意識を変えていくためにも、その活動を見せる、発信するというのも、大切なことだな、と思います」

「妖怪シェアハウス」の主人公・澪の“恩人”は妖怪たち。いっぽう、「本人にとっての恩人は?」の問いかけに、「それはもう、圧倒的に母ですね」と、ふたたび笑みを浮かべて見せた。

「以前、フィギュアスケートを習っていたときも、芸能界に入ってからも。ずっと身近で応援してくれて、私がこぼす愚痴も嫌な顔せず聞いてくれるし、もちろん、相談にものってくれます。いちばん近くで支えてくれる人、それが母です」
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文=仲本剛 写真=秋倉康介 撮影場所=ITOCHU SDGs STUDIO

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