米国人の夏の旅行、物価高騰で「安上がり」傾向に

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米国では、旅行業界での物価が高騰していることにより、人々の夏休みの旅行計画に影響が出ていることが、複数の調査により明らかになった。米国人はコストを抑えるため、旅行の内容について妥協している。

米旅行業協会(USTA)が発表した最新の「旅行物価指数(Travel Price Index)」によると、旅行の費用は新型コロナウイルス流行前の2019年と比べ、16%近く上がっている。項目別の費用をみると、移動は30%、宿泊は10%、娯楽は5%、飲食は14%それぞれ上昇していた。

旅行情報サイト「ホッパー(Hopper)」の最近のデータによると、米航空業界の国内線運賃は2019年の水準を約14%上回る往復354ドル(約4万6000円)、国際線は2019年とほぼ同じ往復861ドル(約11万2000円)となっている。

市場調査企業ロングウッズ・インターナショナルが4月中旬に行った調査では、移動コストが今後半年間の旅行計画に影響するだろうと答えた米国の旅行者は53%に上った。比べて、自分の経済状況が旅行に影響を与えるとした人はそれよりも少ない46%、新型コロナウイルス流行が影響するとした人は38%だった。

米国人の旅行者が特に懸念しているのがガソリン価格の高騰だ。ガソリン価格が旅行計画に影響を与えないと答えた人は19%のみだった一方、今後半年の旅行計画に影響を与えるとした人は全体の約3分の2、計画に「大きな影響を与える」とした人は3分の1以上(37%)に上った。約3分の1(36%)は自宅に近い旅先を選ぶと答え、約4分の1(26%)は娯楽にかける費用を節約すると述べた。

金融情報サイト「バンクレート」が行った別の調査でも、旅行者がコストを抑えるため厳しい決断を下している様子が浮き彫りになった。今夏に旅行を計画している米国の成人のうち、69%がインフレを理由に計画を変更していると答えた。

物価高騰を理由に旅行の頻度を減らすとした人は25%、自宅に近い旅先を選ぶと答えた人も25%だった。より安価なアクティビティーを選ぶとした人は23%、より安価な滞在場所を選ぶとした人は22%いた。

編集=遠藤宗生

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