2015年に設立された同社は、自動運転車両と同様な船員の関与を最小限に抑えて貨物船の航行を支援するAI(人工知能)ソフトウェアを開発している。同社の主な製品は、大型船舶のドックへの接岸を支援するシステムと、外洋での船舶の航行を支援する自動航行システムの2つで、現在は韓国内の4つの港で運用されている。
シードロニクスの共同創業者でCEOのByeolteo Parkは声明で、「当社の使命は、海の安全と環境保護に貢献するAIプラットフォームを設立することだ。今回の調達資金で、AIとセンサーフュージョン、ナビゲーションを手がけるより多くの人材を採用し、世界市場への進出を加速させていく」と述べた。
同社の独自のシステムは、船舶の爆発事故を引き起こす二酸化炭素の漏れやヒューマンエラーを検知することで、海難事故の75%を防止できるという。
アジアの海運業の自動航行システムには、物流のスマート化を目指す世界の動きと連動して、投資の波が押し寄せている2019年に次世代モビリティのための1億ドルのファンドを立ち上げた「トヨタAIベンチャーズ」は、船舶の自動操舵システムを開発するシンガポールのSea Machinesに出資した。
ボストンコンサルティンググループのBCG Digital Venturesは昨年8月、シンガポールを拠点とする海洋テクノロジー企業3社に投資した。また、同じくシンガポールに拠点を置くクエスト・ベンチャーズも昨年、ShipsFocusと共同で750万ドルの海洋テクノロジーファンドを立ち上げた。
約18億ドルを運用するソフトバンク・ベンチャーズ・アジアは、AIやIoT、スマートロボティクなどのICT領域を中心に、300社以上に投資を行っており、昨年12月には、韓国ネイバー傘下のメタバースプラットフォーム「Zepeto(ゼペット)」に1億5000万ドルを出資していた。